「裏付けのある知見を,自信を持って伝えるために」(先輩たちへのロング・インタビュー,第2回:菊入みゆきさん・前編)

昨年に引き続き,本カウンセリングコースを修了され,その後各方面で活躍されている方へのロング・インタビューを行いました!

第2回は,カウンセリングコース第23期の修了生で,かつ,博士課程に在籍中の菊入みゆき(きくいり・みゆき)さんにお話を伺いました。現在はJTBモチベーションズ ワーク・モチベーション研究所所長,明星大学経済学部特任教授を務めておられます。入学に至るまでのお話や,在籍中の学び,そして,受験を検討しておられる方々へのメッセージ・・・などについて,お聞きしました。

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入学前の思い

―コースに入学される前から,心理学やカウンセリングへの興味をお持ちだったのでしょうか?
心理学という学問には,以前から関心がありました。ただ,大学在学中は,心理学とは関係のない学部でした。卒業後には,ファッションビルなどで企画の仕事に携わり,その後,JTBモチベーションズに移り,働く人の仕事へのモチベーションに関する課題について,取り組んできました。

―やる気やモチベーションというのは,人の心理そのものに関わる話題ですね。
そうですね。また,「産業カウンセラー」の資格も取得していました。その他,コーチングにも興味を持っていて…資格を取って,実際に仕事としてコーチングにも関わっていました。

―入学以前から,産業カウンセリングやコーチングに関わっていらしたんですね。
手応えを感じていたコーチングをさらに深く学んで,専門性を高めていくか,大学院である程度幅広く,且つ学術的にも学びを深めるか,かなり迷いました。

―なるほど…
ただやはり,より広く,体系的に学ぶことで,「個人」や「心」に向き合うことと,組織全体のモチベーションを研究することの両方をしたい,と思ったのです。

―そのなかで,大学院への進学をお考えになったのは,どのような理由からなのでしょうか?
仕事をしていく中で,様々な人々,特に,ある程度の地位のある人たちとも相対していかなければならなかったのですが,そういう人たちに様々な提案をしていく中で,「学術的なバックグラウンドが必要だ」ということは,常に意識していました。だから,自信がなかった,というか。その意味で,自分に「自信」をもちたい,そして,お客さんに対して「正しいこと」「裏付けのあること」を自信をもって伝えていきたい,と思うようになっていたんです。

―確かに,学術的な裏付けがあるとないとでは,提案を行っていく際の心構えも変わってきますよね。
それに元々,いくつかの著書を手掛けていたこともあり,いろんな理論や専門的知識を学びたい,という志向性もありました。実例をまとめていくだけでなく,多くのケースに共通する一定の法則を学びつつ,理論的観点から説明する…という考え方が,自分に合っていたという面もあります。

―経験と学問をつなぐことで,より新しい知見が生まれてくる,という化学反応もありますよね。
そうですね。それともう一つ,20年以上勤務していた会社から,一時期,家族の都合で日本を離れ,アメリカにしばらくいたこともありました。その後,日本に戻ってきて,再入社したのですが,その時,「この会社にいて,自分は,何が貢献できるのか,何が提供できるのか」…という点を深く考えていたんです。アメリカから帰ってきても,いまひとつ,成長したという感じがなかったというか。もちろん,向こうでも,いろいろな仕事や経験を重ねていたのですが,それでも。

―そうだったんですか…
まだこれから,自分は何十年か働いていくのに,足場がふわふわしたままのような気がして。だからこそ,何か自分で挑戦してみたいという思いも強かったです。

あとは,かねてよりお世話になっていた大学の先生がいまして。お仕事などもご一緒したり,様々な面で教えを頂いていたりしたのですが,その先生から,こう言われたこともあったんです。「もっと勉強をしなさい,あなたは,学術面の勉強が足りません」って(笑)。

―そんな!(笑)
それなのに,大学院に入学した後,先生にその時のことを話したら,「覚えていない」と(笑)。

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(大学内の一室にて)

カウンセリングコースを選んだのは?

―最近では,社会人を対象とした大学院も増えてきていますし,夜間や通信でのスクーリングが可能な大学院もありますが,本学を選択された理由などはありましたでしょうか。
当時,会社外の勉強会など,社外のネットワークを大事にしていたのですが,その中で,よく,「つくばの社会人大学院がね…」と聞くことが多かったんです。人事担当者の談話会では,実際に本カウンセリングコースを修了された,という方にも多くお会いしました。

―それは奇遇ですね!
そうしたこともあり,なんとなく「身近なもの」と感じてて(笑)。ただ,進学を検討するようになり,いろいろな社会人大学院を調べ始めたのですが,現実的に,通いやすいのはここだけだったという理由もありました。

―確かに,関東圏からのアクセスは便利ですね。茗荷谷駅から徒歩2分,ですし。
それに,大学で心理学部を出ていないといけない,という大学院が多かったのですが,ここのカウンセリングコースは違った,というのも大きな理由でしょうか。

―そうですね。心理学に限らず,多様なバックグラウンドを持つ方々が集う…というのは,本コースの特徴でもありますね。
また,授業の開始時間など,社会人にとって「通いやすい」大学院であったことも大きいかもしれません。社会人であれば残業なども生じますが,そうした状況も十分に考慮されている…という面でも,こちらのカウンセリングコースが候補にのぼりました。

―仕事を続けながら,続けたまま通える大学院というのも,本コースのポイントですね。
それで,いよいよどうしようか…と考え始めた頃に,大学院のオープンキャンパスで,こちらのコースの先生とお会いして,話してみた時に,とても雰囲気がよくて,入学してみたい,と思えたんです。それが,いちばん大きな理由かもしれませんね。

家族とともに,入試に向かって

―進学を決めたあとは,入試に向けて,どのように準備をされたのでしょうか。
実は,誕生日が6月なのですが,

―ええ(?),
誕生日付近に,「大学院,行こう!」と思い立ったので,すごくギリギリのタイミングだったんです(笑)。

―そうだったんですか!(笑)
たくさんの人に相談したりして。バタバタしながら,書類を一気にそろえて(笑)。勉強も,「一気に」やりました。

―なるほど…勉強の仕方は,どのようにされていたんでしょうか。
基本は,過去問題を一生懸命に。ひたすらに,やりました。筆記の質問があることも想定して,自分で自分に問題をだして,時間を決めて書く…という練習をしていたのを覚えています。

―確かに筆記試験は,訓練や馴れも重要ですしね。
ええ。当時は,ワードの原稿用紙をダウンロードして,いっぱいコピーして,書きまくっていました。そういえばこの前,引っ越しをしたのですが,当時の原稿用紙がいっぱいでてきました(笑)。その他は,心理学のテキストを2冊ほど集めて,勉強した…という感じでしょうか。

―そうした試験勉強などを進める際に,ご家族の理解や支援も重要になってくるかと思いますが,ご家族にはどのように切り出されたのでしょうか?
実は当時,娘も,高校受験を控えたタイミングだったんです。

―なんと!これも奇遇なタイミング!ですね。
だからこそ,「一緒に受験を戦おう」という感じで。今,思うのは,子どもが受験だから今年は諦める…というよりも,むしろ,「一緒にやった方がいい!」ということですね。その頃,娘のお弁当も作りながら,一緒に勉強していたのですが,自分が何かを勉強しているときって,意外と,他のこともたくさんできるんですよね。

―そうですね。何かの目標に向かっているときって,忙しくても,不思議とエネルギーがわいてきますよね。逆に,時間がたくさんあって忙しくない時ほど,暇を持て余してしまったり。
それに,一人きりで勉強していると,いろいろ落ち込んでしまいますが,誰かと一緒だったりすると,それだけで心強いものですよね。それに,受験を戦う娘と同じ立場に立ったことで,家族との関係も深まったような気がします。娘の姿から教えられることも,モチベーションを貰ったこともたくさんありました。

―そのあたりは,菊入さんのご研究のテーマにもつながってきますね。
また,自分が勉強している姿を家族にも見せていくことで,家族とのつながりも深まっていったように思います。今でも,自分の研究について話したりすることがあるので,家族みんなが専門用語に詳しくなってたりもしますが(笑),何かをひとつひとつ学んだ喜びや,達成した時の喜びを,みんなで分かち合えるのも,大切なことですよね。だから,どんどん家族を巻き込んでいくのも良いことだと思います。

―家族の中で相互に影響しあいながら,合格はもちろんのこと,それ以上のさまざまなものも得られたのですね。
そうですね。合格発表の時にも,受験番号や合格発表のページのURLを家族や周囲のみんなに伝えて,全員で一斉に見てました(笑)。

後編に続きます)

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