受験を検討されている方へ

大野 祐介さん 義肢装具士 第25期生 修士(カウンセリング)

2年の課程を修了させていただきホッと一息ついていたつもりが、気が付けばあっという間に1年が経過しておりました。このたび、カウンセリングコースへの入学を考え始めた頃から修了後1年たった現在までを顧みて、稚拙ながら体験談としてまとめさせていただきましたのでご報告させていただきます。受験を検討されている方の一助になれば幸いです。

病気や事故で足の切断に至った方が使用する義足を製作する義肢装具士という業務について5年が経った頃のことです。足を失った方々の声にしっかり耳を傾け、気持ちを十分に配慮しながら、皆さんの生活がより豊かになるような義足を届けることができているだろうか、と考えるようになりました。また、今まであって当然だった身体の一部を失い、大きな喪失感を抱えている方々と接する業務上、義肢装具士の仕事はカウンセリングの要素がものすごく大切なのではないかという気持ちも芽生えてきました。ただ、この漠然とした疑問を解決するには何をしたらよいかが分からず、悶々と過ごしておりました。

そんな折、カウンセリングコースに出会い、受験希望者用のガイダンスに参加してみました。そこでは「臨床の現場で起こっている問題を整理し、研究に落とし込み、論文としてまとめ上げ、意義ある結果として臨床にフィードバックするためのノウハウを身に着けることができる」との説明がありました。まさに自分の求めていたことにぴったりだ、と運命を感じ、受験勉強に取り掛かりました。

入学後は、先生方が心理学初学者の私でも分かるように丁寧に、粘り強く指導してくださいました。論文提出間際には、休日も返上で、メールやスカイプなどを駆使して最後まで、見放さずに完成まで導いてくださいました。その途中には、諸先輩方も、どうしてこんなにまで協力してくださるのだろう?と不思議なくらい多くの時間を割いて面倒を見てくださいました。今思うときっと、そのさらに上の先輩の皆様が、そうしてくださったのでそれを後輩にもしてくださっている、ということなのだと思います。私も、微力ながら後に入る皆さんのお力になれればと思っております。また、同じ志でカウンセリングを学んでいる同期の皆さんがとても温かく、かつ、常に刺激を与えてくださいました。とても大切な仲間と出会えたのも大きな収穫です。また、論文作成時、心が折れそうなときには、インタビューや質問紙調査に協力してくださった皆さまの温かい励ましを思い出し、そして、職場の方々の後押しを受けて、なんとか提出するに至りました。こうして振り返りますと、2年間に出会った多くの方々が、自分を大きく育ててくださった、ということが強く実感できます。

このコースで学んだアプローチは、修了後もものすごく現在の仕事の中で役立っております。実際、つい先日も職場で1000人規模の質問紙調査に関わらせていただく機会がありました。それ以外にも学んだことが、生きているな、カウンセリングコースに通ってよかったな、と思う瞬間が本当にたくさんあります。この感覚は、日増しに大きくなっていて、卒業後1年が経ちますが、ますます大きくなっています。どこまで大きくなるか恐ろしいくらいです。

今後も、臨床現場に還元できるような研究を進めていき、義足を使用する方のQOL向上に役立てるような活動をしていきたいと考えています。このような目標を持てたのもこのコースを修了した大きな収穫です。働きながらの学生生活ということで大変なこともありますが、ぜひ、皆さんも経験していただければと思います。