コース代表からの挨拶

社会人を対象とした大学院として私たちのカウンセリングコースが開設されて以来、28年がたちます。授業と演習を夜間と土曜日を中心としておこない、修士論文の提出・合格をもって最短2年で修了するという、「働きながら学ぶ」という体制を整えた大学院の開設は、当時、日本で初めてのことでした。初年度は、日本初ということもあって、550名近くの方が受験されました。それだけ、現在もそうですが、現役で働いている社会人の方の、カウンセリングを大学院で学びたいというニーズが大きかったのだと思います。

28年たった現在、このような入学試験という関門を乗り越えられて、私たちのカウンセリングコースに入学され、巣立っていかれた方は、500名以上になります。現在の在学生を含めれば、550名近くになります。その顔ぶれは、多彩です。様々な企業の社員・役員、学校(幼・小・中・高・大・養)の教員、医療従事者(看護師、医師、心理相談員等)、行政(国・地方)の担い手、司法関係者(家庭裁判所の調査官、弁護士等)、相談機関の相談員・所長、マスコミ関係者(テレビ局のプロデューサー、新聞記者等)、福祉関係者(施設のワーカー、相談員等)他、様々な職種の方がおられます。そして、その年齢、キャリアも極めて多様です。

想像してみてください。このような多様なキャリア、年齢の20数名(2学年を併せると約50名)が、カウンセリングや心理学に関わる教員の様々な講義を受け、討論をしあい、発表をしあい、時に酒を酌み交わし、2年間の集大成としての修士論文をお互いに励まし合いながら仕上げていくのです。

そこには、今までの自分のキャリアの中では、考えられなかった様々な「出会い」があります。まず、教員との出会い。そして、教員を通して出会う学問や研究としての心理学やカウンセリングとの出会い。この出会いの中で、科学的な見方と方法が培われていきます。そして、新しい見方や方法の知識はこれまでのご自身の経験の中から培われてきた問題意識、知識や技術と融合し、あらたな段階へとあなたを誘っていくことになります。教員は、そのためのサポーターとしての役割を担っていきます。

さらなる出会いに同級生・上級生との出会いがあります。ここで得られるものは、計り知れないと思います。キャリアや年齢、これまでの人生経験が異なる者同士が、「1人の学生」として「カウンセリングコース」で出会うのです。そして、文字通り、「同じ釜の飯を食す」が如き学生生活の中で、それぞれの「問題意識」「目の付け所」「見方」「考え方」「方法論」などに出会い、その違いにとまどい、また、その背景にある共通点に気づきますす。そして、「人」として出会うのです。

このような2年間の出会いの中で、これまでの自分の見直しが図られ、新たな、ライフコースやキャリアの形成にむけて、次のステージへと向かっていきます。職場の中でさらに充実した仕事に従事されている方、大学機関へ転身され、仕事として教育・研究を続けておられる方など、OBの方はほんとうに様々な展開をなされています。その大きな、きっかけになったのが、このカウンセリングコースでの出会いだったのです。 このように「カウンセリングコース」には、学問・研究との出会い、人との出会いなど、「出会い」に充ち満ちています。そして、ここでの出会いは、在学中の2年間だけでなく、一生続く出会いです。 在学中の2年間を一つの大きな「出会いの場」として、学生、教員、そして、OB同士が、「人として」「研究・学問を通して」、ずっと、つながって行く場が、このカウンセリングコースなのです。 さあ、あなたもこの出会いの場におこし下さい。

コース代表 大川 一郎