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卒業生の言葉

教育学類には教育学のほぼすべての分野の専門家が揃っていますし、教員と学生との距離が非常に近く、教員の方々は一人ひとりの学生や一つひとつの疑問にしっかりと向き合ってくれます。
北海道庁
平成25年度卒業 松谷雄太
私は現在、北海道教育委員会に勤務しています。毎日、学生時代に学んだ教育の理念やしくみが現実にどう動いているのか実感する日々を過ごしています。教育といえば理想や理念が先行しがちですが、実際は財政や政治などに左右され、理想と現実の微妙なバランスの上、成り立つものです。教育行政の仕事は、そのような中、教育実践を行う人や教育実践を支える制度をサポートすることで教育をよりよくできる仕事です。

教育学類での四年間は、私にとってかけがえのない時間でした。まず、教育を学ぶのに素晴らしい環境がありました。教育学類には教育学のほぼすべての分野の専門家が揃っていますし、教員と学生との距離が非常に近く、教員の方々は一人ひとりの学生や一つひとつの疑問にしっかりと向き合ってくれます。また、仲間たちと論文やレポート作成を一緒に頑張ったり、授業やゼミで考えたことを深夜までぶつけあったりしたことは、今ではいい思い出です。

もちろん、学問を学ぶだけではありません。学類にはいろいろなことに熱中している人がいて、お互いに様々な刺激を受けあいます。私自身はというと、タイ大好き人間と学類開設の授業のおかげでタイの現地学校で日本語教師を体験することになりました。そこで得た経験は今でも大きな財産になっています。

教育に関心がある皆様、またそうではない皆様にとっても、この学類には自分を伸ばしてくれるだけの資源が無限にあります。ぜひ教育学類に入学して、思い切り学生生活を楽しんでみてください。

刺激的でユニークな人生を創る力を、この学類で養ってほしいと思います。
静岡銀行
平成23年度卒業 佐口美佳
皆さんは学校に通う中で、先生の教え方が下手だなぁと感じる時はありますか? 私はそのようなときはいつも「なぜ先生の教えたいことがうまく伝わらないのだろう?」「どうして教え方を変えないのだろう?」と疑問に思っていました。そして学校のシステムを容易には変えることのできない教師というポジションに、私はなりたくないなと思っていました。

このような心境で大学に入学した私でしたが、教育学を学ぶことでこの無知なまま抱いていた反感を再考するチャンスを得ました。学校教育が長い歴史の中で作られてきたこと。教育とは学校教育のためだけの言葉ではないこと。例えば生涯教育や家庭教育という言葉があります。学校を卒業しても人は学び続けますし、誰もが親になったら子どもを家で教育することになります。自分が知っている“教育”がいかに限定的であったかということに気づかせてくれたのが筑波大学の教育学類での学びでした。

卒業論文では、日本の公立高校定時制に通っている日系ブラジル人高校生にインタビューを行い、彼らがこれからどう生きていこうと考えているのかということを直接聞きに行きました。ここでも自分の知らなかった学校教育の一面を肌で感じることができました。この4年間は本当に、自分の価値観を揺らがすものに囲まれて過ごした貴重な時間だったと思います。

卒業後は民間企業へ就職します。入学当時は想像もしていなかった進路ですが、どうしたら自分の伝えたいことが相手にうまく伝わるかということを考える癖は変わらないと思います。教える、教えられるということは世の中の様々な物事に関わる現象であり、人の人生に最後まで欠かせないファクターです。それを考えることに4年間を費やすことは皆さんの人生に大いにスパイスを利かせてくれることでしょう。刺激的でユニークな人生を創る力を、この学類で養ってほしいと思います。

幅広い視点からの講義を受ける中で、現場と行政の両方に興味を持つようになりました。
法務省
平成22年度卒業 滝沢千紘
私は平成23 年4 月に法務省矯正局に入省し、現在は法務教官として働いています。法務教官とは、少年鑑別所や少年院で非行少年の更生に向けた働きかけや教育を行うことが仕事です。今の仕事を知ったきっかけは、筑波在学中、児童養護施設で学習指導のボランティアを続けた経験でした。家族関係に悩む子どもたちを前に、私もそうした子どもたちと深く関わり、力になりたいと思いました。

筑波大学教育学類で教育について幅広い視点からの講義を受ける中で、現場と行政の両方に興味を持つようになりました。矯正という分野で現場と行政の両面に携わることができることを知り、今の仕事を選びました。

いろいろな問題や課題を抱える少年と関わる中で求められるのは、人としての総合力であると感じています。筑波の地で様々なことに挑戦し、より多くの経験を積んでいってほしいと思います。

これから学び始めるみなさんには、ぜひ多くのことを学んでほしい。
教育に関係しないものなどないと思うからこそ、本当に多くのことを。
東京都公立小学校教員
平成22年度卒業 長久保良太
チャイムと同時に、おいしそうな匂いで教室中がおおわれる。給食の時間だ。いつも通り、子どもたちがまた全て平らげてしまうだろう。自慢の元気な子どもたちだ。

教師になって3カ月。大学で学べたことは確かにあったはずなのに、時間がたつ程にその学びと現実との間に溝ができた。そして、教育は難しいと改めて実感した。

これから学び始めるみなさんには、ぜひ多くのことを学んでほしい。教育に関係しないものなどないと思うからこそ、本当に多くのことを。そして、学ぶほどにできる現実との間の溝の中に僅かでも光を探してほしい。それが教育学において大切なことなのではないかと思うから。

これから学び始めるみなさんへ最大限のエールを。教師としての先輩より。

大学生活に心残りは一切ありません。
それは、心残りがないようやりたいことに片端から取り組むようにしていたからだと思います。
千葉県公立中学校教員
平成17年度卒業 清水陽子
私は現在、千葉県浦安市の中学校で社会科の教員をしています。幸いにも教員採用試験に合格し、夢だった教員になることができ、忙しいながらも充実した日々を送っています。

私は大学生活に心残りは一切ありません。それは、心残りがないようやりたいことに片端から取り組むようにしていたからだと思います。学業では教育学を中心に、心理学、障害科学について幅広く学びました。多くの先生方、仲間たちと接しながら、「自分のめざす教育とは何か」「どのような教員になりたいのか」を追究できたことが、教員になるという夢の実現につながったのだと思います。特に教育学類の仲間からはたくさんの刺激を受け、励ましをもらいました。まだまだ新米教員ですが、彼らと共に学んだことは私の支えとなり、少しずつでも仕事に活かされているなと毎日実感しています。また、学業だけでなく、学園祭、スポーツデー、新入生オリエンテーションなどの行事やサークル活動、バイト、遊びや飲み会など今までにないくらい密度の濃い4年間をたくさんの仲間と過ごしました。この大学生活があったからこそ、今の充実感があると思います。

筑波大学には全国各地から様々な人が集まってきます。出会った縁を大切にしながら人間関係を広げていってください。そして充実した大学生活を送ってください。その先には、きっとさらに充実した日々が待っていると思います。

教育学類を志すみなさん、ぜひ、これからの教育を共に創造していきましょう。
文部科学省
平成11年度卒業 寺島史朗
私は、「人を教え育てる」という人間の根源的な営みに関心を持ち、教育学を学ぶことを志し、筑波大学では特に教育行政や教育制度を中心に学びました。

教育への関わり方は実に様々な方法があります。日々の具体的な教育実践を積み重ねることはもちろんその中心にあると思いますが、一方で、一つ一つの教育実践は、様々な制度の枠組みの中で展開され、多くの人々がそれを支えています。個々の教育実践を支え、その環境を整えるという教育行政に携わることもまた、教育への関わり方の一つです。

私は大学で学んだことを生かし、現在、文部科学省に勤務しています。日本中で、日々行われている教育実践が少しでもよい環境のもとで行われ、子どもたちに少しでも充実した教育が提供できるよう、微力ながら努力しています。これまで、教職員定数をいかに充実していくか、学級規模はどうあるべきか、優れた教員を確保するためにその処遇はどうあるべきかなど、公立学校教育の環境整備に関わってきました。

教育学類の歴史は130年以上前にさかのぼります。その間、多くの人材を教育界に輩出し、それぞれの立場で、日本や世界の教育の充実のために努力をしています。みなさんも、ぜひ、教育学類で教育の奥深さを学び、自分なりの関わり方を見つけてください。きっと教育学類はそれに応えてくれるはずです。

充実した環境の下、志を同じくする友人たちと学んだ4年間は今でも私の心の支えとなるだけでなく、日々の業務にも生かされています。教育学類を志すみなさん、ぜひ、これからの教育を共に創造していきましょう。

報道部門に籍を置く今になって、教育を考えることがいかに大切かということを感じています。
静岡放送
平成9年度卒業 竹川朋美
「かつて不登校児だった『おとな』が成人した今どのように社会で生きているのか」。地元静岡のテレビ局でディレクターの仕事をしている私が、今年取材を続けているテーマです。番組作りやニュースに携わって7年、教育現場とは取材をする中で最も難しい場所だと感じています。子どもたちのプライバシーや肖像権の保護、そして「不登校・いじめ」など学校が答えづらいことをカメラの前で話してもらうこと。それは「教育」が社会の中で特別な存在であることを感じさせます。

教育学という言葉を耳にした時に、実用性を感じない人も多いかもしれません。実は私も当時はその一人でした。卒業研究のテーマ「女性らしさは教育の中でどう作られていくのか」を先生と話し合っていたときのことです。自分自身が身をおいてきた学校という枠を見つめ直す絶好の機会となった一方で、この研究が自分の将来にどう役立つのかと不安を覚えました。

しかし様々な時事ネタを扱う報道部門に籍を置く今になって、教育を考えることがいかに大切かということを感じています。経済、スポーツ、法律などと同じように「教育」をいかにプロフェッショナルな視点から考えるかが必要とされているのです。経済格差からくる教育格差の問題は?企業のエリート教育に女子が含まれてないのは何故?教育現場での愛国心とは何?教育学とは自分という人間を成してきたものと向き合いながら未来を作るカギを見つける場なのです。

比較教育学分野は国内の大学でもわずかしかなく、もしも筑波大学で学んでいなかったら、今の私はなかったかもしれません。
山梨県立大学教員
平成2年度卒業 池田充裕
私は現在、山梨県立大学で教職課程を担当しています。ここには、国際政策、人間福祉、看護の3学部から、毎年100名以上の学生が教職(国語、英語、家庭、福祉、幼稚園、養護)を志して集まってきます。彼・彼女たちは自身の専攻領域とともに、教職関連領域もこなさなければならないため、その学習負担は相当なもので、途中脱落する人も出てきます。逆に言えば、それでもなお教職を目指す学生の意欲・熱意は、もしかしたら私が筑波大学に在籍していた時を上回るものがあるかもしれません。

今改めて筑波大学に在籍していた頃を振り返ると、充実した教授陣、その幅広い授業内容・水準、施設・設備(図書館!)はやはり傑出していたと思います。特に私がその後研究に携わることになった比較教育学分野は国内の大学でもわずかしかなく、もしも筑波大学で学んでいなかったら、今の私はなかったかもしれません。

私自身は90年頃からシンガポールの教育研究を始めました。当時のアジア地域の教育研究は今よりずっとのどかなものだったように思います。しかし今日では、例えば日本の学力低下や小学校英語の導入が伝えられるようになって、シンガポールに関する問い合わせは引きも切りません。理科・数学の学力世界1位の教育内容とは?幼稚園から始まる英語と母語の二言語教育の方法は?-今後、アジア地域との教育交流が深まれば、互いに学び合い、協力していく場面はさらに増えていくことでしょう。

筑波大学には、世界各国の教育に造詣が深い先生方が多くいらっしゃいます。またアジア各国から集まった優秀な留学生も多く学んでいます。グローバルな視点から教育を眺められる貴重な機会を、後輩の皆さんには是非とも積極的に活用してほしいと思います。