道徳教育学

専門研究領域の沿革


本専門研究領域は、1975年に設置された。わが国において大学院博士課程に独立したかたちで道徳教育学研究室を置いているのは筑波大学のみであり、初代担当教官である井上次郎教授をはじめ、遠藤昭彦教授、福田弘教授らがそうした責任と自覚に基づき、わが国の道徳教育学の構築・発展・普及に努めてきた。現在は、吉田武男教授が、シュタイナーの教育思想研究の成果をもとに、心理主義的な道徳教育とは一線を画した、生活や社会とつながった道徳教育学の提唱・普及に努めている。また、2010年には、これまでルソーの教育思想を中心に研究成果を積み重ねてきた田中マリア助教が着任し、閉塞感の強いわが国の道徳教育界に対して、一石を投じるような道徳教育の創造に向けて研究を進めている。そのことにより、新たな二名体制がスタートした。

在校生とその研究テーマ

  • 3年:山田千明、「幼児期からの寛容の醸成に関する研究」
  • 2年:相賀由美子、「ドイツにおけるヴァルドルフ幼稚園の研究」
  • 2年:那 楽、「道徳教育の比較研究」
  • 1年:村松遼太、「情報モラル教育の研究」

入学者出身大学と勤務先

(1) 入学者出身大学:神戸大学工学部、筑波大学(日本語・日本文化学類、人間学類、比較文化学類)、新潟大学教育学部、二松學舎大学文学部、大阪産業大学経済学部、東京女子体育大学体育学部、(中国)東北師範大学
(2) 勤務先(大学):大阪教育大学、尚絅大学、聖徳大学、筑波大学、新潟清陵大学、明治大学、中京大学、大阪国際大学、帝京大学教職大学院

博士学位取得者

(1) 課程博士(課程博士規準)

氏名 研究テーマ 取得年
諸冨祥彦 人間形成における<エゴイズム>とその克服過程に関する研究 1992
田中マリア ルソーの教育思想に関する研究―宗教を基盤に据えた人間形成論に着目して 2006

(2) 論文博士

氏名 研究テーマ 取得年
福田弘 ペスタロッチの教育思想における宗教的基礎―その形成と展開 1999
吉田武男 シュタイナーの人間形成論に関する研究―特に道徳教育に着目して 2006

在校生の声

OB・OGの声

「道徳教育研究室の魅力」
大学院生時代を振り返って、道徳教育研究室に入ってよかったと思えることの一つに、内地留学にいらっしゃっていた現職の小・中学校の先生方と、大学院のゼミや研究会で交流する機会に恵まれたことがあげられます。内地留学の先生方からは、教育現場における児童・生徒の様子や道徳教育の実践について貴重なお話を伺うことができました。また、先生方の道徳教育にかける姿勢や児童・生徒に対する熱意には、研究という枠をこえ、人間として学ばせていただくことが多かったように思います。(帝京大学教職大学院、細戸一佳)


当研究室は、道徳教育の思想から実践までの幅広い領域を研究する研究室です。当研究室の学生は、こうした道徳教育について、理論・実践さまざまなアプローチから取り組んでおります。道徳教育は人間形成の根幹に位置づくものであり、その意味で教育のどの分野・領域の研究をする際にもかかわってきます。また、「道徳」あるいは「道徳性」という言葉は人によって解釈が異なってきます。こうした理由から、道徳教育について研究することは難しいときがあります。しかしその分やりがいのある研究であるとも言えるでしょう。興味のある方は、ぜひ一度研究室までお越しください。
(原口友輝)