次世代学校教育創成サブプログラム
現在の学校教育をめぐる課題は、グルーバル化した社会、複合的な問題が顕在化する社会の中で捉えられる必要があり、AIやIoTの進化に象徴される知識基盤社会の一層の進展の中で解決が図られなければならなくなってきています。例えば、従来人間が行ってきた仕事の一部を機械が取って変わろうとするこれからの社会で、学校教育は何をすべきか、また何ができるかを考えることが迫られています。また、Society5.0と表現される新しい社会、すなわちサイバー空間とフィジカル空間の融合が進んだこれからの社会で、教育課題はどのような姿で現れてくるのでしょうか。
教育学(前期)学位プログラムは、このような変貌し続ける社会を背景に、人間の営みと社会の発展に対して教育がもつ意義と役割を体系的に理解し、地球的規模の広がりをもつ現代の教育課題を鋭敏に捉え、教育学諸分野の学術的アプローチを用いて分析する基礎的研究能力を有し、多様な教育現場において卓越した専門的知見をもって課題解決をリードすることのできる研究力のある高度専門職業人を養成することを目的としています。この教育学(前期)学位プログラムの中で、次世代学校教育創成サブプログラムは、「一つ先」の時代の学校教育のあり方、その社会との連関のあり方等について、多面的に、また根源的に考え、次世代の学校教育を創成することのできる人材の養成を目指す教育プログラムです。換言すれば、現代社会におけるさまざまな教育課題に対処しうる高度な専門性を有し、グローバルな視野と優れた教育実践力とともに、教職への情熱と使命感を持ち、リーダーシップを備えた高度専門職業人、これからの時代における新しい学校教育を創成することのできる人材を育成することを目的としています。
この目的のために、次世代学校教育創成サブプログラムには、学校教育領域、国語教育領域、社会科教育領域、数学教育領域、理科教育領域の5つの学修のための領域を配置しています。さらに、学校教育領域では、保健体育教育分野、芸術科教育分野、英語教育分野についての研究を行うことも可能であるように教員が配置されています。そして、例えばカリキュラムマネジメントやSTEAM教育といった新しいジャンルの教育研究が可能になるように、これらの異なる領域間の連携による柔軟な指導を行うことにしています。
この次世代学校教育創成サブプログラムの前身は、1977(昭和52)年4月に創設された教育研究科のスクールリーダーシップ開発専攻と教科教育専攻で、この両者を母体としています。教育研究科からはすでに3, 500名以上の修了生を輩出し、その活躍については、教育界を中心とする各方面から極めて高い評価を得ています。教育研究科の起源は、明治5年の昌平黌跡に設立された、わが国最初の師範学校に遡ることができます。以来、東京師範学校、東京高等師範学校、東京文理科大学、東京教育大学とその変遷を重ねて来ましたが、一貫してわが国の教育界に幾多の優れた人材を輩出し続け、日本の教育に多大な貢献をしてきました。一方、外国人教員研修留学生プログラムを継続的に実施し、世界約40国から350名程の留学生を迎えてきて、教育研究科の貢献は世界各地にも及んでいます。
次世代学校教育学創成サブプログラムは、この輝かしい伝統と実績を生かしつつ、学位プログラム制による全学の広い学問領域にわたる多数の教員からの手厚い協力を得て、きめ細かいカリキュラムを構成し、充実した研究指導体制をとっていきます。さらに、都道府県の教育委員会から派遣された現職の教員、あるいは多様な経歴を持つ社会人も受け入れていくために、1年制修了プログラムを設定しています。
次世代学校教育学創成サブプログラムで学んでよかったと思われるような教育プログラムを目指しつつ、新しい時代の学校現場や、グローバル化する社会の様々な場で人を育てることに対する高い志をもち、高度専門職業人を目指す皆さんをお待ちしています。
教育学学位プログラム(前期)
次世代学校教育創成サブプログラム リーダー
清水 美憲
