比較発達行動学 (CC22021)

( Evolution and Development of Behavior )

授業時間: 春AB 木曜日3・4時限
担当教員: 加藤 克紀
単位数: 2.0
履修年次: 2
授業概要: 比較心理学、動物心理学、エソロジー、行動生態学、比較認知科学、人類学、進化生物学などの諸領域で明らかにされた知見を総合して、行動の機能、発達、進化について概説する。進化心理学についても簡単に紹介する。
受講対象者:  
授業内容: 生物は38億年の昔に地球上に現れ、多様な種に分化してきた。私たちヒトは哺乳綱の一員であり、母乳をもって子育てを行うという特性は私たちの生活を強く規定している。またヒトは霊長目ヒト上科ヒト科ヒト属の1種である。チンパンジーの共通祖先とおよそ600万年前に分かれ、ヒト科の多くの種が滅びていく中で唯一生き残り、20万年前に地球に出現して以来、あらゆる地域にその生存圏を広げてきた。ヒトの心や行動を考える上でこの生物としての歴史を無視することはできない。一方、ヒトの発達も生物学的基礎の上に展開する。ヒトをヒトたらしめた直立二足歩行は1歳前後で成立するが、立ち上がり、二本足で歩こうとする乳児の強烈な意志には数百万年の進化のすごさが感じ取れる。また1歳から4歳にかけて生じる急速な言語習得もまた生物学的基盤なしではあり得ない。本講義では、生物としてのヒトという観点から、心や行動はどのように理解されるのか講義する。
評価方法: 学期末の筆記試験による。
教科書: 特に指定しない。必要な資料は授業で配付する。
参考書: 「社会性の比較発達心理学」 岡野恒也(監)アートアンドブレーン 2001
「比較認知科学への招待」 藤田和生(著)ナカニシア出版 1998
「行動生態学」 クレブス・デイビス(共著) 山岸・巖佐(共訳)蒼樹書房 1991
「進化と人間行動」 長谷川・長谷川(共著)東京大学出版会 2000
「比較心理学を知る」ヘイズ(著)岩本隆茂(監訳)ブレーン出版 2000
授業計画: 第1週 オリエンテーション,動物行動研究の意義,進化論,比較心理学とエソロジー
第2週 種としてのヒト,ヒトへの進化,ヒトの特徴
第3週 生得的行動と適応:走性,反射,本能行動
第4週 発達と初期経験(1):刻印づけ,愛着の発達,社会的隔離
第5週 発達と初期経験(2):豊かな環境,感覚剥奪,養育行動,ヒトにおける検討
第6週 動物の感覚と知覚:視覚,聴覚,嗅覚,触覚,特殊な感覚,環界
第7週 学習と認知(1):条件づけ,複雑な学習,記憶,社会的学習
第8週 学習と認知(2):社会的認知,言語,文化
第9週 社会行動の進化:攻撃と和解,生殖と養育,協力
第10週 行動の遺伝:遺伝子と表現型,系統,行動遺伝学,分子遺伝学
第11週 進化心理学、授業評価、期末試験