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ソーシャル・ニューロダイバーシティ科学の実践・研究:Practice and Research for Social-Neuro Diversity Scienceを開催

10月4日の筑波会議2019スペシャルセッション(3日目)において、筑波大学プレ戦略イニシアティブ(研究拠点提案型)「ソーシャル・ニューロダイバーシティ科学研究拠点の創成と推進(代表者:人間系教授・小川園子)」主催で一般公開のイベント「ソーシャル・ニューロダイバーシティ科学の実践・研究」を開催致しました。
海外からの参加者を含め、計83名が本イベントに参加しました(会場参加者53名、遠隔参加者30名)。

 

筑波会議2019の報告書は下記のサイトより確認できます(英語のみ:P.109-111)

https://tsukuba-conference.com/archives/1415

 

本イベントで取り扱ったテーマや内容、魅力について紹介致します。

 

【ソーシャル・ニューロダイバーシティ科学とは?】
筑波大学人間系を中心とした新融合学術領域です。
「ひと」の多様性を尊重し、多様性を生み出す神経基盤や認知・行動特性の評価、制度設計等の研究を通じて、基礎研究と社会実装活動を橋渡し、多様性が活きる社会の実現を目指します。

 

【パネルディスカッション】

パネルディスカッションでは発達障害をテーマに、新進気鋭の6名の若手研究者・実践家が自身の取り組みと今後の展望をお話ししました。

(1)松田壮一郎(筑波大学人間系):自閉スペクトラム障害児におけるヒト-ヒト間インタラクションの分析

(2)金岡あんな(株式会社LITALICO):発達障害×外国籍の子どもへの支援のあり方とは?

(3)石塚祐香(筑波大学人間系):幼児期から学齢期のスムーズな移行につながるための研究と実践のあり方

(4)佐々木銀河(筑波大学人間系):発達障害グレーゾーンの大学生への支援に関する研究・実践

(5)榎本大貴(株式会社LITALICO):企業研究所の立場から、研究と社会実装を考える

(6)伴睦久(東京大学先端科学技術研究センター):ニューロダイバーシティーと障害理解の国際的動向

 

 

【ラウンドテーブル・体験型セッション】

パネルディスカッション後、登壇者6名の個々の研究・実践について、ポスター発表形式でご紹介しました。ディスカッションではお伝えしきれない最新の研究や、研究や実践の裏話、今後の展開などを参加者と一緒に話しました。

 

また、発達障害のある方に役立つ支援技術の体験ブースを設置し、「録音機能付きデジタルペン」「ノイズキャンセリング」「紛失防止タグ」「支援情報配信サービス」など、多様な特性を活かすためのテクノロジーについて、直接見て、触って、体験できる機会を用意しました。

 

【本イベントの魅力】

本イベントでは、場の垣根を超えることを目指し、遠隔ビデオ通信システムを活用して、世界中の人が本イベントに参加できるようにしました。質疑応答についてもWEBサービスを活用し、リアルタイムで参加者からの質問・コメントを受け付け、パネルディスカッション時に参加者の意見を取り入れた議論を進めました。さらに、発達障害当事者の方が作成するマンガを会場来訪者に配布し、広く一般への理解・啓発を進めました。

そして、何よりも本イベントの魅力はテーマと新進気鋭な若手の活動にあります。パネルディスカッションでは、6名の登壇者による取組紹介後、工学・心理学・教育学・社会学等のそれぞれの専門をかけ合わせながら「多様性が活きる社会」について議論しました。

多様性(ダイバーシティ)と称した時には、女性活躍などが取り上げられることが多いですが、このイベントでは「脳の多様性(ニューロダイバーシティ)」をテーマにした切り口で議論を進めました。

 

強いてまとめるとすれば、

 

発達障害 × 言語(日本語・外国語) × 場(教育・就労) × 年代(幼児・成人) × 支援方法(工学・心理学・教育学的アプローチ) × 立場(研究者・実践家・企業)

 

のように、あらゆる多様性の軸を土台として「10年後の発達障害児者研究はどうあるべきか?」について活発に意見を交わしました

「ひと」の多様性を活かすには、「ひと」が多様であることを理解することはもちろん、多様な「ひと」同士の相互作用(社会性)を如何にして形成していくかが重要であるという結論となりました。

筑波大学プレ戦略イニシアティブ(研究拠点提案型)「ソーシャル・ニューロダイバーシティ科学研究拠点の創成と推進」では、今後も基礎研究から応用研究、社会実装に至る一連の研究プロジェクトを推進していきます。

 

 

 

関連リンク:https://dac.tsukuba.ac.jp/radd/