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視覚障害


もくじ

T. 視覚障害とは
U. 先生方へのお願い
V. 皆さんへのお願い
W. 視覚障害教育・研究支援室について
X. ピア・チューター活動について
Y. 学生の声

 
T. 視覚障害とは
 一般に視覚障害は、視力の程度によって「盲」と「弱視」の2つに大きく分けられます。
 盲に分類されるのは、視覚的な情報をまったく得られない、またはほとんど得られない人たちです。盲の人たちは、主に触覚や聴覚など、視覚以外の感覚を手がかりに生活しています。
 弱視の人たちは保有する視力を活用しながら生活しており、一般の人同様、墨字(点字に対し、普通に書いたり印刷したりした文字)を使用することが可能です。ただし、拡大文字や視覚補助具の活用など、視力を補うための工夫が必要です。
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U. 先生方へのお願い
1.資料
 視覚障害学生は、授業で配られる資料をそのままでは読むことが困難です。しかし、電子データであれば、パソコンを使って音声で聞いたり、点字に変換したり、弱視学生の場合は画面の文字を拡大したりして、独力で読むことができます。そこでレジュメや資料を作成した際の、元の電子データを提供していただけるようお願いいたします。

2.板書
 視覚障害学生は、講義を聞いてノートを取ることはできますが、黒板を見ることはできません。そこで板書をする場合には、口頭で内容を読み上げていただくようお願いいたします。
 また板書を指し示しながら「これ」「あれ」といった指示語を使うと、視覚障害学生はその指示語の内容が判らず、内容を正しく理解することができません。指示語は避けて、具体的な言葉に置き換えていただくようお願いいたします。

3.出席表・感想など
 授業の最後に出席表や感想などを書く場合には、周りの学生に代筆をお願いする、後ほどメールで提出する、担当の教員が直接出席を確認するなどの方法があります。本人と話し合って、適当な方法を決めていただくようにお願いします。
 弱視学生は、狭いスペースやコントラストの低い罫線の書式に文字を書き込むことは難しいのですが、白紙であればその場で自筆できる場合もあります。

4.試験
 入試のような公的な試験では、1.3〜1.5倍の時間延長と、点字や拡大文字による出題・解答が認められています。そのような形態の試験を行う場合には、学内外の専門点訳者の協力を得て準備をしなければならないため、担当窓口へ早めに問題をお渡しいただく必要があります。
 しかし、口頭試問による試験、パソコンを持ち込んでの試験など、さまざまな形態が考えられますので、視覚障害学生と相談していただくようお願いいたします。

5.掲示
 視覚障害学生は通常の掲示板を確認することが困難です。教室変更や休講などの情報は、事前に電話やメールなどで、本人に直接お知らせいただくようお願いいたします。
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V. 皆さんへのお願い
1.視覚障害者との接し方
 視覚障害のある人に話しかける時には、まず相手の名前を呼んでから、自分の名前を言います。「○○さん、こんにちは。同じクラスの△△です。」というように。そうしないと、視覚障害学生は、自分に声をかけられていることがわからないことがありますし、もし、自分に声をかけられていると分かっても、その人が誰なのか、声だけで判断できない場合もあるためです。
 色のことも、景色のことも、テレビのことも話題にしてかまいません。なんでも、普通に話してください。 身の回りにあるもので、手で触れるものにはどんどん触らせてください。触ることができないものは言葉でわかりやすく説明して下さい。
 弱視の人は、どのくらい見えるのか、どんなお手伝いが必要なのかが人それぞれですので、最初に遠慮なく尋ねてみて下さい。

2.誘導の方法
 誘導するときには、まず声をかけてください。いきなり手をとられると驚きます。また、後ろから肩や背中を押して歩いてはいけません。
写真:視覚障害学生の誘導
 このように、誘導する人が斜め前に立ち、視覚障害者に自分のひじをつかんでもらうか、肩に手を置いてもらって歩くのが一般的です。
 安全な場所では普通の速さで歩いてかまいませんが、階段の始まりや段差のあるところ、溝をまたぐときなどは速度を落とし、「上り階段です」「水たまりがあるので大きく1歩またいでください」などと声をかけます。
 一緒に歩いて来て別れるときには、その場所がどこなのか説明し、本人が場所を理解していることを確認してから別れてください。
 廊下に荷物がおいてあったり、マンホールの蓋が開いているなど、普段と違う状態は大変危険です。通路が変更されているときなどは知らせてください。
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W. 視覚障害教育・研究支援室について
1.視覚障害教育・研究支援室とは
 視覚障害教育・研究支援室(以下「支援室」)は、人間系学系棟1階(A-143)にあります。
 支援室の主な利用者は、全学に在籍する視覚障害学生と、そのピア・チューターです。

2.機器類の紹介
 支援室には、以下のような各種の機器が設置されています。

<ハードウェア>
@パソコン
 支援室のパソコンには、通常のパソコンにスクリーンリーダーや画面表示拡大ソフトなどがインストールされており、視覚障害学生と支援者の双方が使用します。
A高速スキャナ
 印刷された文書をパソコンに取り込むために使用されます。
B点字ディスプレイ
 コンピュータのモニタに表示される情報をリアルタイムに点字で表示する装置です。音声のみでの情報確認はかなりの緊張を要しますし、長時間の利用には向かないという点から、点字ディスプレイを併用するというのが一般的です。表示できるマス数は機種によって様々です。
写真:点字ディスプレイ
C点字プリンタ
 テキストデータや点字データの内容を紙に点字で印刷するための装置です。文字だけでなく、点図の印刷ができる機種もあります。
写真:点字プリンタ
D拡大読書器
 弱視者が、文字や図などを拡大して、モニターで読むための装置です。この装置では個々の見え方に応じて、拡大率、照度、コントラストなどを調整することが可能です。拡大読書器には携帯用のものもあり、教室に持ち込んで、配布資料などを拡大して読む場合もあります。
写真:拡大読書器
E点字電子手帳
 点字の文書処理、電卓、時計、タイマー、スケジュール帳などの機能を持っています。点字で入力するためのキーボードと、入力した内容を確認するための簡易な点字ディスプレイがついています。
F立体コピー機
 点字使用者向けに触図を作成するための装置です。熱を加えると、黒く描かれた部分が盛り上がる特殊な紙(シート)を用い、凸図を作成します。
写真:立体コピー機

<ソフトウェア>
@自動点訳ソフト
 パソコンで作成された墨字の文書ファイルを自動的に点字データに変換するソフトです。最近は精度が上がっており、手早く点訳できるため、よく使われるようになってきました。しかし、試験問題のように、正確さや読みやすさが求められる際には、文字変換やレイアウト処理をより正確に行なう必要があるため、専門家による校正が不可欠です。なお、点字データは上記の点字プリンタを利用して出力します。
AOCRソフト
 印刷された文書を、スキャナを用いてパソコンに画像として取り込み、文字認識をしてテキストファイルを作成するソフトです。書籍や新聞の切り抜きなどのように電子化されていない文書を、電子ファイルにするために用います。その場合、ピア・チューターなどの助けを得て、電子ファイルと元の文書を読み合わせて、校正することが必要となります。
Bスクリーンリーダー
 パソコンの画面上の情報を、合成音声で読み上げたり、点字ディスプレイで表示するために必要なソフトです。
C画面表示拡大ソフト
 パソコンの画面上の情報を拡大表示するための弱視者用のソフトです。画面のコントラストを調整したり、マウスの動きを見やすくする機能もあります。
Dその他
 点字タイプライターとは、点字用紙に点字を書くための装置です。パソコンが無かったころはよく利用されていましたが、最近では簡単なメモを書く時などに利用されています。墨字の本に点字ラベルを付けたりする時にはタイプライターを利用してラベルを作成します。

3.利用の際の注意

 支援室を誰もが気持ち良く使えるように、利用者には申し合わせ事項を記載した「支援室利用の手引き」を配布しています。
 これは、実際に支援室を利用している視覚障害学生とピア・チューターが、日頃の経験を踏まえて作成したものです。

(以下、「支援室利用の手引き」より抜粋)
<入・退室に際して>
・挨拶
 お互いに気持ちよく作業が出来るように、また視覚障害学生にも状況がよく分かるように、入室時には挨拶をしましょう。ピア・チューターは、「○○さんのピア・チューターの△△です」のように一言自己紹介をしてください。また、退出時にも一言声をかけるように心がけてください。

<室内での注意事項>
・備品・消耗品の取り扱い
 支援室にある備品は、全て公費で買われたものです。取り扱いには十分注意してください。
 同様に、コピー用紙や事務用品、プリンタやコピー機のトナーなどの消耗品も、公費で補充されています。望ましくない用途での使用や無駄遣いには注意してください。
 椅子やごみ箱、事務用品などは、使用後は所定の場所に戻してください。

<機器類の使用について>
・設定を変えないで
 共用のパソコンは、いつも同じ設定で起動しなければ、使用者の混乱を招きます。私物のソフトをインストールしたり、好みの設定に変更したりしないでください。作業上やむをえない場合には、終了時に元の設定に戻してください。
 なお、特定の視覚障害学生が使用しているパソコンを借りる場合には、上記のことに特に注意してください。
・マニュアルをよく見て
 機器類の詳細な使い方については、別紙のマニュアルを熟読してください。
 作業に慣れている人は、そうでない人に適宜情報提供をお願いします。

<その他>
・メーリングリスト
 支援室の利用者同士が連絡や相談、意見交換などを行う場として、メーリングリストが用意されています。視覚障害学生、ピア・チューター共に支援室を利用する人は、このメーリングリストに参加してください。
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X. ピア・チューター活動について
1.ピア・チューター活動の内容
 ここでは、視覚障害学生に対するピア・チューター活動の主な内容を紹介します。

(1)テキストデータ化
 ピア・チューター活動の中で最も多いのが、教科書や授業で配られたプリント、参考文献などの印刷物のテキストデータ化です。
 視覚障害学生は、パソコンの音声出力機能や点字表示機能、画面拡大機能などを個々のニーズに応じて組み合わせることにより、テキストデータ化された文章を自由に読むことができます。
 弱視学生の場合は、テキストデータの内容を耳で聞くだけでなく、目でも読むことがあります。そのため、必要に応じて読みやすいレイアウトの作成もピア・チューターが行います。特に授業へ持って行きたい資料や、発表をする際に使う原稿などは、できる限り見やすい状態に加工して提供します。

印刷物のテキストデータ化の手順
(1)画像データの取り込み
スキャナを使って印刷物の情報を「絵」のデータとしてパソコンに送る
*できるだけノイズの少ない、鮮明な画像をパソコンに送ることが重要

(2)テキストデータへの変換
OCRソフトを使って、「絵」のデータを「文字」のデータに変換する

(3)校正
OCRソフトが間違って解釈してしまった文字を、原本と見比べながら主導で修正する。
(2)対面朗読
 教科書やプリントなどを、声に出して読みます。
 繰り返し読んだり、不必要なところを飛ばしたり、いくつもの資料を並べて読み比べるなど、障害学生の要望を聞きながら進めて行きます。
(3)代筆
 書類などを視覚障害学生の代わりに書きます。
 大学の事務や学会などに提出する書類は、多くの場合あらかじめ書式が決まっています。複雑な指示を読んで狭い場所に字を書くことは、全盲学生はもちろんのこと、弱視学生にとっても難しい作業です。
(4)レポート、プレゼンテーション資料などの作成補助
 全盲学生も弱視学生も、パソコンを使って文章を書くことは十分にできます。ただし、漢字の誤変換を修正したり、先生や一般学生にとって見やすいレイアウトを整えたりする作業などは、ピア・チューターの助けを借りて行います。
(5)文献の検索・入手補助
 視覚障害学生は、一人で効率的にインターネットの検索をすることが難しいため、ピア・チューターの助けを借りて文献の検索を行います。  また、図書館へ一緒に行って、本を探したり借りたりする作業もあります。
(6)履修管理の補助
 シラバスを朗読したり、Web上での入力を代わりに行います。

 なお、当然ながらピア・チューターには得手不得手がありますので、一人のピア・チューターが上記の作業の全てを担当するという訳ではありません。

2.講習会
 ピア・チューター活動に関心のある人は、まず「ピア・チューター講習会」に参加し、ピア・チューター制度の趣旨や具体的な活動内容についての講習を受けてください。
 視覚障害学生のピア・チューターを対象とした講習会は、毎年4回程度行われています。

3.支援者と利用者の声

ピア・チューターの立場から1
(人間学類3年)
 私が視覚障害支援を始めたきっかけは、ある教授の「同じバイトをするなら障害学生支援の方が実りがある」というお話でした。
 ピア・チューター活動は有償ボランティアです。サークルとバイトとボランティアを足したようなものと言ったらいいでしょうか。ですので、大学に入ってみて、何か人のためになることをしたいけど、サークルもやりたい。…でもお金も無い。という学生にはうってつけの活動といえます。
 授業の空いている時間や放課後に、大学内という近場で出来るバイトなのが魅力のひとつです。最初にスキルアップや障害理解のための講習会があったので、すんなりと始められました。また障害学生や他の支援学生との交流会があったりもして、一種サークル的な連帯感があります。そしてやはり自分の活動が、直接障害学生の役に立っているという点が一番の魅力なのではないでしょうか。障害学生の要望に応じて、時には試行錯誤したり、時には雑談を交えながら同じ課題挑戦してゆく。言ってみれば障害のある学生と共に何かを作り上げてゆくような、そんな活動だと感じています。
 活動を始めたばかりの頃は、機器類の使い方や状況に応じての支援のやり方などに不慣れなところがあり、先輩のピア・チューターにずいぶんとお世話になっていた記憶があります。3年生になった今では逆に後輩に教える立場になっていて、障害学生支援の専門性が少しは身に付いたのかなと感じているところです。
 仲間と一緒に何かをしてゆくという、組織の動かし方も身に付きました。視覚障害学生支援チームは、運営に学生が参加出来る部分がかなりあります。その活動に参加して、一緒に企画を作ったり、どうやったらスムーズに活動が出来るかなど今後のことを考えたりしてゆくことで、組織運営のイロハを学びました。
 一番大きな変化は、障害のある人に接する時の見る目が変わったことです。私は活動を始めた当初は、視覚障害って何だろう?と、障害に対しての興味が先にあったと思います。しかし活動を続けてゆく中で、視覚障害というものに慣れたためだと思いますが、障害学生に対して障害をあまり意識することなく接するようになってきました。そして、障害学生は本当に個性的なんだなと感じるようになりました。障害に目を向ける割合が下がったことで、障害学生本人を見ることが出来るようになったのだと思います。
 私は視覚障害学生支援の活動を通して、実りのある大学生活をおくっています。

ピア・チューターの立場から2
(人間学群 障害科学類 1年)
 私がピア・チューター活動を始めたのは、5月の上旬なので、実質まだ3か月ぐらいしか活動していないのですが、そこで感じたことや得たことを手短にお話しします。
 ピア・チューター活動をしてみて、一番楽しいことは、補助をうける学生と仲良くなれる事です。ピア・チューター活動だけでなく、昼食を一緒に食べたり、学生同士が交流したり。補助を受ける学生もピア・チューター活動をする学生も、とても個性的で、その空間にいるだけで癒されます!!
 中でも学生同士の交流として、みんなでお菓子を食べながらトランプをやったことがすごく楽しかったです。お茶会は定期的に開かれているので、みなさん参加すべきです!!!
 また、活動自体、自分ができることをするという感じなので、初めてのピア・チューター活動で不安もありましたが、無理なく活動することができました。分からないところは優しい先輩がたに聞けば優しく教えてくれるので、とても安心です。
 さらに、パソコンを使った校正作業というのは、それなりに時間もかかりますが、パソコンと仲良くなれます!!私も、このおかげで、大分パソコンを使い、高校のころと比べるとパソコンと親しんでるなぁ〜と我ながら実感します。
 といった感じで、今でもピア・チューター活動を楽しく続けているというわけです。みなさん、少しでも興味があったらぜひピア・チューター活動をやることをお勧めします!!!きっと、楽しいし、自分の世界も広がりますよ!!

弱視学生の立場から1
(大学院2年)
 私は大学院から筑波大学にやってきました。学部時代、私の大学にはこれといった障害学生支援制度がありませんでした。このため支援については、私のことを親身に理解してくれる周囲の友達や先生方に頼らざるをえない状況でした。
 理解をしてくれる人が近くにいる時はよいのですが、「見えにくさ」があることを話してもなかなか理解してもらえない先生の授業や、仲のよい友達のいない授業では、それなりに苦労しました。
 筑波大学に来て、一番驚いたことは、「見えにくさ」を理解してくれる先生や友達が多いということです。また、ピア・チューターとして私の学生生活を支えてくれる仲間がいるということには、非常に安心感を覚えました。
 入学当初、私は外部の大学出身であったせいもあり、専攻のほとんどが知らない人でした。このため、友達と同じ授業が少ないのではないか、そして、学習上の保障を誰に頼めばよいかということについて、私はとても不安に感じていました。ですので、入学直後に行われた障害学生支援のガイダンスでピア・チューターの存在をしった時は、とても安心しました。
 筑波大学では、ピア・チューターが掲示情報をきちんと教えてくれるので、仲の良い友達と一緒でなくとも、好きな授業をとることができます。読みたい本が見つかったなら、いつでもピア・チューターが一緒に探してコピーするのを手伝ってくれます。
 友達が助けてくれた大学時代の生活はそれなりによかったと思います。しかし、自分のペースを大切にしながら、安心して無理なく学べるという環境があるのは、とても幸せなことだと感じました。

弱視学生の立場から2
(人間学群障害科学類1年)
 私は強度の弱視として、人間学群障害科学類に入学し、現在いろいろな形でピア・チューター活動を受けています。入学当初は、新しく始まる大学生活への希望や期待の中で、いろいろな面で不安を持っていました。その一つが、私が強度弱視ということで感じる学習への不安でした。
 例えば、私は点字を主に使って勉強しているのですが、そのため、教科書や授業の際に配布されるプリントなどは読むことが困難です。また、授業の際に配られるアンケートなど、記入の必要な書類についても、自分で書くことは非常に時間がかかり、疲れるものです。このような時に、このピア・チューター制度があって本当に良かったと感じます。ピア・チューターの方々に朗読や代筆をしていただいたり、文章をパソコンの音声ソフトで読める形に変換していただいたりすることで、方法は違っても友人たちと同じように情報を得ることができます。補助とは直接関係のないところでも、支援室でお茶会を開いておしゃべりをしたり、点字トランプなどに触れてみたり、昼休みに支援室を開放して一緒にご飯を食べたり…。さまざまな形で交流も深めています。
 このように、視覚障害学生支援室では楽しく活動をしています。

4.支援チームとしての活動
 視覚障害学生の支援をより円滑に進めるために、障害学生とピア・チューターが参加して、以下のような活動を行っています。
(1)チームミーティング
 視覚障害支援室では、月に1回ミーティングを行っています。ここでは、各係で話し合ったことを持ち寄って、支援室の運営に関わる大事なことを決めています。
(2)係活動
○総務: OSDと学生との橋渡し役を担います。先生方からの連絡や依頼を学生に伝えたり、逆に、学生からの要望を先生方にお願いしたりします。 毎月行われる支援室ミーティングのコーディネートも担当しています。
○講習会係: 先生と協力して、ピア・チューター講習会の企画・運営を担当します。
○企画係レクリエーション部門: 視覚障害学生とピア・チューターの触れ合いが支援場面に留まらないように、また、より多くの学生に視覚障害学生との関わりを持ってもらうために、レクリエーション・イベントを企画運営しています。
○企画係広報部門: 支援室やピア・チューター活動に関わる宣伝を行っています。例えば、ピア・チューターを募集するためのポスターやチラシ、視覚障害学生支援に関する理解啓発パンフレットなどを作成しています。
○活動室管理係: 機器類のメンテナンスや、消耗品の在庫管理などを行います。
○コーディネート係: ピア・チューターの空き時間と視覚障害学生の支援希望時間を集約して、支援活動の時間帯やペアを決定します。
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Y. 学生の声
 ここでは、筑波大学で学ぶ視覚障害学生の学習と生活の様子を、各学生の体験を交えながら紹介しています。

1. 筑波大学の住環境
(学類4年、全盲、男性)
 筑波大の学生のほとんどは、学内の宿舎か周りのアパートで生活しています。視覚障害学生もその点はまったく同じで、宿舎に居住している人、アパートに住んでいる人、また東京から通学している人と多様です。
 一の矢、平砂、追い越の三つの宿舎地区には、それぞれ共用棟があります。ここには浴場や食堂、そしてコンビニなどが入っており、学生たちの生活を支えています。
 宿舎には、バリアフリーのトイレや浴室を備えた障害学生優先の部屋があります。また、障害者用の部屋に入居できない場合でも、物の配置が変わらない環境、かさばる点字資料のためのスペースの確保など、視覚障害学生のニーズが満たされた部屋に入ることができます。特に視覚障害学生は共同の浴場を使用しにくいため、留学生用の部屋や二人部屋など、浴室が居室内に備えられた部屋への入居が認められています。
 アパートに居住する視覚障害学生は、自分の生活スタイルに合った物件を見つけています。物件を探す際にはサポートがあるわけではありませんが、大学の近辺には多くの学生向けのアパートがあり、それぞれに合った部屋を見つけることができるはずです。

2. 日常生活
(大学院生、全盲、女性)
 私は、学部以来ずっと学生宿舎に住んでいます。一人暮らしには慣れていて毎日楽しく過ごしていますが、多少不便なこともあります。そんな場面のいくつかと、その解決策を紹介します。
●食事・買い物
 筑波大学には、学生宿舎を含めて「学食」が充実しています。また、徒歩で利用できるコンビニもたくさんあります。
 でも、品揃えが豊富な店で食品や日用品を安くたくさん買いたいということになると、バスか車で遠くへ出かけなければいけません。そこで私は、月に一度くらい、友人の車に乗せてもらって、コンビニでは買えない食材や生活雑貨の買い溜めをしています。
 また私は、地域の生協に加入していて、先に注文した商品を週に1度、宿舎まで配達してもらっています。注文はインターネットで一人でできるし、多少割高でも必要な物はだいたい揃うので、とても便利に利用しています。
●郵便物や張り紙
 ポストには、毎日たくさんの郵便物が入ります。透明な窓のついた封筒はダイレクトメール、紙切れはチラシ、切手が貼られた封筒は大切な手紙・・・。そんな風に、だいたいの検討はつきますが、それ以上のことは分かりません。なので私は、郵便物を翌日に大学へ持って行き、休み時間に友人に見てもらっています。そして、じっくり読んだり、記入して返信しなければいけないような物は、まとめてピア・チューターにお手伝いをお願いします。「どうしても今読みたい」という時のために、ファックスつきの電話機を購入するのがお勧めです。
 また、管理事務室からのお知らせの掲示が読めないのも悩みの種です。例えば「○○日に火災報知器の点検に入ります」というお知らせを見逃すと、散らかったままの部屋をおじさんに見られてしまいます。そうならないためには、同じ宿舎に住む友達や近所の人に「何か関係のありそうな掲示があったら教えてね」とお願いしておくことが大切です。また管理事務室にも、「目が見えないので、大切なお知らせは直接電話で教えてください」とお願いするようにしています。
●掃除と身だしなみ
 普段の掃除はできても、手で触っただけでは分からない汚れが貯まることがあります。また服装についても、「上下の組み合わせは大丈夫かな」「そろそろクリーニングに出す時期かな」など、不安に思うことがいろいろあります。
 私も含め、家族の人に時々来てもらって、そういったことをまとめて解決している視覚障害学生は多いようです。
 また、同性の親しい友達に「何か不自然なことに気づいたら遠慮なく教えてね」とお願いしておくと、みんな親切に、そして率直に指摘してくれるので助かっています。
 友達の中には、ファッションセンスがよく、買い物が大好き、という人もいるので、そういう人に付き合ってもらってデパートで洋服選びを楽しむこともよくあります。

3. 授業
(大学院生、弱視、女性)
 授業を受ける際には、資料、AV機器、板書においてサポートが必要になります。そのため、授業や先生の切り替えの時期には、個人的に各担当教員にサポートのお願いをします。
 資料については、事前にデータをいただくか、当日拡大コピーまたは見やすいフォントの資料を用意してもらいます。拡大コピーだと用紙サイズが大きい。フォント変更だと枚数が多い。どちらにしても、資料の枚数が嵩張ってしまって管理が大変なのが悩みです。
 板書に関しては、単眼鏡という望遠鏡のような遠くを見る道具を使って見ています。先生には、コントラストが低い色は極力使わないようお願いをします。また、ホワイトボードに関しては、文字がかすれて非常に見づらいため、黒板の使える教室に変更してもらうようにしています。
 スライドやビデオのようなAV機器を使用する授業の場合には、授業前後に借りて個人的に観たり、短いもの、大雑把なものであれば、何となく見える映像を眺めながら友人や先生に解説を入れてもらったりします。あるいは、自分の目の前に専用のモニターを設置してもらい、かじりつきで観る場合もあります。「だいたいの雰囲気をみんなに分かってもらいたいだけだから、見えなくても大丈夫」と言われてしまうこともあるのですが、その時間はすることがなく退屈です。ですので、やはりできるだけその場で他の学生と一緒に観れることがベストだと感じています。

4. 緑豊かなキャンパス、でも交通は不便
(大学院生、全盲、女性)
 筑波大学のキャンパスは、メインキャンパスが茨城県・つくば市に、東京キャンパスが文京区・大塚にあります。私は、都内から電車とバスを乗り継いで筑波まで通学していますが往復5時間ほど掛かります。筑波は緑が多く空気も良くて学生生活を送るには良い所ですが、交通の便があまり良くありませんので通学はちょっと不便です。
●大学へのアクセス
 都内から筑波大学に来るには三つの方法があります。
(1)つくばエクスプレス:秋葉原とつくば駅を45分で結ぶつくばエクスプレス線に乗り、つくば駅へ。A-4出口を出てすぐのバス停から筑波大学循環バスに乗り、10分ほどでキャンパスです。
(2)高速バス:東京駅八重洲南口の高速バスターミナルから筑波大学中央まで、バスが乗り入れるようになりました。乗り換えなしで1時間30分ほどで来られますが、高速道路が渋滞すると時間が掛かることもありますのでご注意ください。
(3)JR常磐線:最寄駅のひたちのうしく、荒川沖、あるいは土浦駅へ。路線バスの筑波大学中央行きに乗り40分ほどでキャンパスです。
●キャンパス内の移動
 広いキャンパスには、地域の路線バス(大学循環バス)が乗り入れています。授業によっては、建物が離れていて徒歩で移動すると遅刻してしまうことがありますので、そのような時にはこの循環バスを利用します。学生には定期券があり、安価で利用できるので助かります。
 寒い夜、バス停で待っている私を友人が見つけて、駅まで車に乗せてくれたことも度々ありました。そのような暖かい人達の支えがあって学生生活を送っていることに感謝!!

5. 趣味・サークル活動
(学類生、弱視、女性)
 ここでは、弱視学生が娯楽やサークル活動、課外活動にどういう風に参加しているかについてご紹介します。
 まず、娯楽ですが、一般学生と同じように映画を観に行ったり、カラオケにいったりします。ただ、一般学生とは違って、自転車などでの移動ができないため、友人の車に乗せてもらったり、公共の交通機関を利用したりして移動する必要があります。また、映画を観るときには、前の方の座席にしてもらわなければ見えないため、そういったことは友人にお願いして、自分も楽しめるような環境を整えることも必要です。
 次に、サークル活動についてご紹介します。まず、大学に入学した当初は、サークル活動をする前に、授業や一人暮らしに慣れることが最優先となり、サークル活動をする余裕はありませんでした。しかし、一年生も半月が過ぎると、大学生活にも慣れ、多くのサークルがある中、自分の興味のあるサークルの活動に見学にいき、参加するようになります。ここでも、弱視である私は、移動するときには車に乗せてもらったり、一緒に歩いてもらったりしますし、サークル仲間と一緒に食事に行くときには、メニューを読んでもらったりすることが必要です。サークルの友人は、いつも色々なことに自然と配慮してくれますので、私はとても楽しくサークル活動をすることができています。
 最後に、課外活動についてです。私は、学内での活動よりも学外での活動に多く関わっています。学外での活動は、まず、移動が大変です。集合場所が駅ではなく、現地である場合には、自分で事前にインターネットなどを利用して、しっかり下調べをする必要があります。もしくは、駅からのガイドをお願いすることもあります。活動する仲間と合流できれば、あとはほとんど問題なく行動できます。弱視であっても、私の場合は、パソコンがあれば、そのグループの中心となって活動することも可能です。
 どのような場合においても言えることですが、障害への配慮を自然としてくれるような場所があると、とても楽しめます。例えば、ミーティングのときに私が見えるサイズに拡大された資料があれば、私も話題に入ることができます。私は、大学で様々な仲間と出会い、毎日、お互いに助け合いながら生活しています。

6. 留学生1
(大学院生、全盲、男性)
 For the citizens of developing countries like Nepal, to get chance of higher study in developed country is of great opportunity. After graduating from various Universities in the world, many of the students look chance for their further studies in abroad with good scholarship and I was not an exception. I came to Japan with tourist visa for participating the entrance exam of the University of Tsukuba and as soon as the result of entrance came in my favor, my visa was extended for another three months by the help of the professor of University of Tsukuba and finally I enrolled this University as a masters' student in the month of April 2005. There are many ways of applying for scholarship but I am describing the one which I applied for and obtained:
●Direct Application to the University through the professor
 For this one should enroll the University and select a professor as his/her academic advisor. Each national university has certain quota for Ministry of Education scholarship, which vary each year. There are certain criteria to select the student, as it is highly competitive. If ones academic background and proposed theme is strong, he/she can get the scholarship. Application form will be available from foreign student's center. It is to be noted that the time interval between availability of the form to the professor and final date of submission is considerably less i.e. about a month only. So, one should prepare the documents well in advance. Such scholarship is based on competition and disability of any person is not kept in priority directly.
●Criteria of obtaining services of the Japanese government including disability pension
 Anyone wishing to obtain the services of the Japanese Government related to disability, disability certificate is compulsory to have. In order to get disability certificate, persons with disabilities have to be registered in the city hall where they are living generally. There are some criteria to be met for the certificate and according to the type of disability, such certificate differs. E.G. persons with hearing impairment can not get the certificate of grade 1 as Japanese law does not recognize them as a person with severe disabilities. The city hall requires the medical certificate mentioning his/her status as a person with disability and it is also necessary to mention whether his/her condition can be improved through treatment. certain hospitals are recommended by the cityhall and only the certificate acquired from such hospitals is accepted. An application form is also needed to be filled up.
 If such criteria are fulfilled, the prefectural government where they live issues the disability certificate. Persons with disabilities can get different facilities by getting this certificate. E.G. they can get facilities like passes for free taxi (taxiken), free bus service for those residing in Tokyo only to the bus of Tokyo metropolitant Government and if any person with disabilities having such certificate travels more than 100 KM, he/her can pay only 50% of the total cost no matter where he/she resides.
 Besides, they can apply for disability pension and the amount to get differs as per the severity of disability. Person having grade 1 certificate can get more than 80 thousand Yen per month and only those with no income are illigible for it.
 Persons with blindness obtain the certificate of grade 1 and they can be the receiver of more than 80 thousand yen per month. If the above mentioned criteria are fulfilled, any person with disability residing in Japan regardless of race, color and nationality can obtain disability certificate and are subject of acquiring the facilities as equally as Japanese citizens with disabilities.
 I am also getting the pension as a person with blindness. I was supported by the volunteers of Japan red cross society and Tokyo Helen Keller Association as well as Mr. T.A., a teacher of Tsukuba School for the Blind in the process of applying for the disability identity card and other services of the Government.
 From my experience in this University and in this country, I advise all my friends outside Japan to study Japanese language to adjust earlier as this University does not offer any course concerning disability in English and very few professors manage to communicate in English. If you think about studying Japanese language before trying to enroll any University in Japan, you will face comparatively less obstacles in terms of language.

7. 留学生2
(大学院生:弱視、男性)
 The University of Tsukuba is situated in an environment rich in nature, there are students from across the nation and world, with a large number of international students which include the students with disabilities.
 The campus facilities are connected by a pedestrian which easily and safety to get around anywhere in campus independently, and also a Braille blocks are available to lead the students with visually impairment combine from one lecture buildings to another. There is priority acceptance for first year students and the student with disabilities at the student residence halls, which hold around 4,000 people and helps you get used to university life. You will meet many friends and senior students with different views and life experiences, and the strong relationships you build here are sure to assist you in tackling the academic and private issues. Rooms are single rooms (some are for two), rented approximately 16,000 yen a month (excluding common utility fees) with bed, desk, chair, sink and kitchen. Each room has an internal phone line that connects free of charge to any internal phone in the halls or on campus, and provides Internet access. You can also have an NTT public phone line connected to your room phone. Each floor has a laundry room, and there are cafeterias, shops, barbers, beauty salons, cafes, and recreation rooms at the public services buildings in each area. There are many apartment rooms available around campus, for half the rent in Tokyo. Economic support is offered through scholarships from the Japan Student Services Organization and other institutions, as well as tuition fee exemptions from the University. Not only the student with disabilities but all newly arrived international students may be assisted in their academic and daily live by Japanese graduate students who will be assigned as student's personal tutors. The personal tutors will help in such these activities: campus guide, help with applications, shopping and apartment searching etc. The students can use this system depend on their status, the undergraduate students will be assisted within 2 years after admission up to 90 hours a year and for graduate students and non-degree research students will be assisted within 1 year after admission up to 90 hours a year.
 By these accessible environment facility and the disabilities support service that provided by the university including the kindness of Japanese friends I strongly believe that you will have balance in your academic study and take pleasure in your campus life.

 


 



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