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運動障害


もくじ

T. 運動障害とは
U. 先生方へのお願い
V. 皆さんへのお願い
W. 運動障害教育・研究支援室について
X. 学習支援
Y. 生活支援
Z.学生の声

 
T. 運動障害とは
●運動障害とは
 「運動障害」とは、その名前の通り運動機能に何らかの障害があることをいいます。運動障害は、上肢(肩から指先)・下肢(股関節から足先)・体幹に永続的な障害があり、日常生活において何らかの不自由があると考えられます。生まれつき(先天性)の場合もあれば、後天性の病気や事故などによる場合もあります。

●運動障害学生のニーズ
 運動障害というと、車椅子を連想されるかもしれませんが、運動障害のある人が必ずしも車椅子を使用しているとは限りません。人によって障害のある部位も様々ですから、上肢のみに障害のある人は歩行することが可能ですし、車椅子を使用していても上肢の使用には困難が無い人もいます。また、車椅子(手動式・電動式)を使用している人の中にも、自分で操作できる人もいれば、介助が必要な人もいます。このように、一口に運動障害といってもその原因や状態は人によって様々です。それに伴って、必要となる支援も一人ひとり異なってきます。
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U. 先生方へのお願い
 運動障害学生のニーズは様々ですから、講義や試験の際に必要となる配慮も1人1人異なってきます。講義の際には、配布物や試験・移動などへの配慮について、運動障害学生本人もしくは支援室よりお願いさせていただくことがあるかと思いますので、ご理解・ご協力いただけますようお願いいたします。
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V. 皆さんへのお願い
 本学に在籍する運動障害学生の状態は様々ですが、中でも車椅子を使用する学生にとって、ハード面は大きな問題になります。駐輪・駐車の際には、スロープの入り口をふさがないなど、少しでも配慮していただけたらと思います。
 また、車椅子専用駐車場は、車椅子で乗降できるようスペースが広く設けられています。この場所を必要とする学生がいますので、学内・学外を問わずにご理解いただきたいと思います。
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W. 運動障害教育・研究支援室について
 運動障害教育・研究支援室は、第二エリア2A115に設置されています。主な利用者は、運動障害学生や支援学生です。支援の拠点としてハード面を整備して、より円滑に支援を行えるようにしています。また、運動障害学生と支援学生同士の交流の場としての役割も果たします。
 ただし当分の間、2A115教室は実習室として授業時に使用されることがあります。支援室を使用する際のルールについては、先輩の障害学生や支援スタッフに相談してください。
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X. 学習支援
●講義
 講義の前後における支援としては、カバン内の荷物の出し入れや机・椅子の移動等が挙げられます。講義中は、プリント類の受け渡しや提出物の提出時における支援等が必要となる場合があります。
●体育実技
 体育の授業では、運動障害に配慮・工夫した「トリム運動」が開設されています。他にも、体育の授業に関しては、入学前の打ち合わせ、4月に行われる体育の全体オリエンテーションの際に、授業担当教員と相談ができます。
●定期試験
 定期試験では、受験方法に困難がある場合、授業担当教員に相談をすることができます。障害の部位や程度により、試験時間の延長、試験答案のパソコン・録音テープ・代筆などによる提出といった配慮をすることができます。障害学生支援室では、障害学生本人や授業担当教員からの相談に対して助言していきます。
写真:パソコンで試験を受ける
書字が困難なため、パソコンで試験を受けています

●教室移動
 車椅子の場合、一人では上りきれない坂道や段差があった際にピア・チューターに押してもらいます。また、登下校や教室間の移動の際は、荷物の持ち運びを手伝ってもらったり、雨天時に雨合羽の着脱の補助や傘を差してもらいます。
●実験
 実験器具の準備、重い物の持ち運び、高所にある物の上げ下げ、大きいまたは重い実験器具を使用する際の支援などが考えられます。
●その他
 図書館での文献検索やコピー、フィールドワークでの移動等の支援、統計作業時の学生の確保等が行われています。

 以上で紹介したのは、あくまでも現在考えられる支援の例です。運動障害学生の障害の部位や程度は多様ですので、これらの他にも多くの支援が考えられます。支援を希望する運動障害学生の方と十分話し合って、それぞれ最も適切な支援のありかたを検討していきたいと考えています。
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Y. 生活支援
 本学の障害学生支援は、学内での講義受講や研究活動などを行う際の学習補助が対象となり、生活全般については直接的に支援することは難しい現状にあります。しかし、運動障害を持つ学生が親元を離れ本学で学ぶ場合には、生活面について何らかの支援が必要になると思います。そこで、これらの支援を必要とする場合には、障害者自立支援法に基づく「介護給付」や自立生活センターが提供するサービス等を活用していただくことになります。実際、本学在籍の運動障害学生についても、これらのサービスを活用したり、障害学生が組織化したボランティアグループを活用したりしながら生活を送っています。なお、これらの情報で運動障害学生支援チームが把握しているものについては提供可能ですので、お問い合わせください。
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Z. 学生の声
●I.T(学類卒業生,男性,電動車いす使用)
 私は、2006年度の自然学類化学専攻(現在の理工学群化学類)の卒業生です。筋ジストロフィーという筋力が徐々に低下する進行性の病気で、それに伴って全身に運動障害が現れてきます。そのため、電動車いすで生活しており、生活全般に介助を必要としていますが、話すこと、書くこと、電動車いすの操作は自力でできます。
 私は在学中に主に次のような支援を受けました。
  • 実験用の机の製作

  • 宿舎から学校までの道の舗装整備

  • 車椅子の高さにあった机の配置

  • 教室間移動、宿舎への送り迎え、図書館での調べもの等の学習補助

  • 実験補助者の配置

  • 卒業研究にあたっての特別な配慮

 学内での学習や研究における障害学生支援の体制は、ハード面も含め充実していると思いますが、就職支援についてはもの足りなさを感じました。今後、就職を希望する障害学生に対する支援体制を充実させてほしいと思います。
 これから支援を受ける方は、どんなに小さいことでも要望を出してください。健常者には分からないことなので、その要望が通らなくても伝えていくことが大切です。自分にとって生活しやすい環境が他の障害者にとって使いやすいものである必要はありません。自分にとって一番生活しやすい環境を作っていける能力は大学を出た後の人生にも必要になると思います。

●M.Y(大学院生,女性,電動車いす使用)
 私は四肢に運動障害があり、移動はほぼ電動車いすで行っています。バリアフリー化されていない場所では、階段や段差の一つ一つに行く手を阻まれることになります。また、上肢の動きも障害のない人に比べると遅いので、「手で何かをしながら移動する」という場面では、毎回大いに苦労します。
 昨年4月に入学して、はじめて図書館を利用した時にも、この問題で困りました。ゲートに学生証をかざして扉を開いて入館しようとすると、床面には高さ1cmほどのケーブルカバーがありました。その程度の段差は車輪でも越えられるのですが、私が通過に手間取っていると、扉が閉じて挟まれる…ということが何度かありました。しかし五月になると、床面にゴムシートが敷いてあり、ケーブルでつまずくことがないように対処されていました。扉の開扉時間も、何秒か長めに調整されていました。私が困っている様子を見て、図書館の方が工夫してくださったようです。
 最初から完全な支援体制はどこにもありません。さまざまな障害を持つ私たちが実際に活動してみることによって「何が問題なのか?」「どう解決すればよいのか?」が浮かび上がってきて、そこで初めて「では、どう支援すればよいのか?」を一緒に考えてもらえるのです。とりあえず、いろんな場面で困難にぶつかり、その姿を見てもらい、ニーズを伝える努力をしてみましょう。支援体制は、そういう日々の試行錯誤からできてくるものです。

●L.Y(大学院生,男性,両上肢欠損)
 私は韓国からの留学生で、つくばでの生活は5年目になります。幼いころの交通事故で両腕を失ったので、普段は足を使って色々な作業をしています。留学生ということで、身体面だけでなく、言語面でも難しさがありますが、バリアフリーの宿舎で1人暮らしをしています。外部からの公的な生活支援は受けていないので、友人(研究室の人や韓国からの留学生など)に手伝ってもらっています。また、時々韓国から両親(主に、母)が手伝いに来ています。住んでいる部屋は、自分で操作できる環境となっています。たとえば、ガスコンロをシンク台でなく、地面から40cmぐらいのところに置かせてもらい、自分で操作しています。
 大学から学習補助を受けていますが、大学院生としての研究補助が多く、図書館での作業(本・論文の検索及びコピーなど)・公的な書類の作成(手書き)・移動など多岐にわたります。友人に手伝ってもらうこともありますが、人間関係(一人の友人に負担が多くならないように)が難しかったり、年度が変わるときなどは人手が安定しないため、このような支援体制が整っていることは助かります。特に何か困ったことが起きた時に、相談できる窓口(障害学生支援室の専門委員)がある意義は大きいと感じています。
 現在の私は、大学に十分慣れています。しかし、新入生の頃を考えると、いろいろ難しい状況がありました。新入生は、大学に慣れることだけでも大変だし、支援に関してどのようにコーディネートすればいいのかわからないと思います。自分のニーズをしっかり伝えて、適切な支援を求めることは大切です。大学(支援室)が様々な場面でサポートすることは重要ですが、学生本人が自分のニーズについて説明することが前提となります。すなわち、学生と大学がお互いに頑張らないと、大学からの支援はうまく成り立たないと思います。

●W.S(大学院生,女性,電動車いす使用)
 上肢下肢に可動制限があり、学内移動は車と車いすを使っています。校舎の入口は自動でも引き戸でもない重たいドアが多く、出入りに苦労していましたが、大学側の配慮で新年度からドアが自動化されることになりました。要望を出したことで駐車場も教室近くに確保してもらい、またスロープ設置工事、歩道のでこぼこ解消工事もはじまっています。主要部分には車いすのまま入れるトイレやエレベーターもあります(以上芸術関連の校舎)。
 ピア・チューター制度を中心とした人的支援制度を使うことで、図書館での書籍の出し入れ、コピー、長文入力など細かなサポートも得ています。アパートなどで自立する際には行政のサポートを、大学周辺の移動には車いす対応のバス(ノンステップバス)を、その他大学のボランティアなどを併用し、必要なサポートを伝えることで、障害に関係なく学習環境はかなりの部分が整うと思います。
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