専門分野![]()
研究の専門分野は、学校経営学です。「学校経営学」というと、学校を起業してお金を稼ぐための方法を研究しているのかと勘違いされる方も少なくないのですが、そうではありません。公教育機関としての学校(とくに公立学校)を一定の独立性をもつ組織と捉えて、教育専門機関としてのミッションを果たすためにそれをいかにして自律的にマネージ(経営)していけばよいのかを追究しています。
これまで自分が研究してきた内容をテーマ別に少し整理すると、以下のようになります。

アメリカの学校経営改革と校長の役割に関する研究
アメリカで1980年代後半以降に広がった「学校 を基礎単位とした教育経営(School-Based Management: SBM)」の施策に着目し、その起源と見られる1960年代にさかのぼって学校経営改革の展開過程を明らかにするとともに、それに対応して校長の役割がどう変容し、今日の校長にどのような新たな役割が求められるようになったのかについて追究してきました。そこでは、教職員のエンパワメント(empowerment)を重視した促進的で協働的な役割が浮かび上がってきました。こうしたアメリカでの政策・実践の動向は、私が日本の学校経営のあり方を考える際の基本的な視座をもたらしてくれています。

日本の学校経営と学校改善に関する研究
アメリカを対象とした研究と並行して、日本における学校経営と学校改善についての研究に取り組んできました。学校を一定の独立性をもつ組織ととらえて、「学校組織」にみられる特徴を踏まえた上で、その経営のあり方を考えるというスタンスに立っています。20年以上前に自分が院生だった頃と現在とを比較すると、私自身の考え方にも微妙な変化があります。近年は、教職員一人ひとりの専門的自律性を尊重しながら、同時に一つの組織としての統合性を創り維持することができるような学校経営のあり方を追究したいと考え、学校の訪問調査を続けているところです。調査を進めれば進めるほど、校長の役割の重要性が明確になるのですが、同時に、ミドルリーダーと呼ばれている方々の存在も、校長のそれに劣らず重要であるということも明らかになっています。キーワードは「共有ビジョン(shared
vision)」の形成だと考えています。

教員の養成と職能開発に関する研究
教員の養成および職能成長過程と、それを支えるシステムのあり方について関心を持って研究と実践に取り組んでいます。
1990年代を通じて、同世代の研究仲間たちとともに、現在の教員養成制度の基本的な枠組みを創り上げた戦後教育改革期にたちもどって教員養成の現代的難題に向き合おうとした一連の研究が、この問題を考えるための土台になっています。
教員がもつべき力は何か?
大学における教員養成はそのためにどうあるべきか?
現職教員の職能開発はどうあるべきか?
そして教育学研究はそこにどのような関わりをもつべきか?
という問いが、いつも思考の中を駆け巡っています。
