つくばの心理学 2021
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心理学類教員による読書案内 55『君の悩みに答えよう-青年心理学者と考える10代・20代のための生きるヒント』 日本青年心理学会(企画)福村出版 2017年 ☆若い人たちの悩みに青年心理学者が答えようとしたQ&A方式の読みやすい本です。たとえば、“親の言う通りに生きてきたことが良いことなのかわかりません。”“どうせ私なんてモテるわけがありません。”“女子のグループ行動が面倒です。”約70個の問いと答えに、あなたの知りたいことがきっと書いてあると思いますよ。 『桐島、部活やめるってよ』朝井リョウ(著)集英社 2010年 ☆高校生たちはこんなにも「上」の人だとか、「下」だとかを気にしているのか?!と、とても話題になった本です。この本にあるように、高校のクラスは階層化しているのでしょうか。男子と女子の両方の高校生の気持ちが描かれている点がすごいと思います。この本に触発されて高校生のクラス内友人関係について研究した大学生たちもいました。 『蹴りたい背中』綿矢りさ(著)河出文庫 2007年 ☆女子の余り者のハツ、男子の余り者のにな川、そしてハツと対照的にクラスを楽しんでいる絹代。ハツと絹代は今でも気の合う親友同士になのに、なぜハツは一人なのか。クラスの中ではハツと同じような存在なのに、なぜ、にな川はハツのようにイライラしたりせずにいるのか。女子の友人関係は、“グループ”や“ママ友”で知られるようになかなか難しいところがあり、心理学の研究テーマにもなっています。 『恋ごころの科学』松井豊(著)サイエンス社 1993年 ☆恋愛に関する心理学の研究がわかりやすく紹介されています。テレビや雑誌で取り上げられている「恋愛心理」との違いを愉しんでください。なお、この本はサイエンス社「セレクション社会心理学」のシリーズですが、このシリーズでは第一線の研究者がさまざまな社会心理学の研究テーマを解説しています。 『高校生の心理1 -広がる世界』佐藤有耕(編)1999年 大日本図書 『高校生の心理2 -深まる自己』高木秀明(編)1999年 大日本図書 ☆大学生になったあとで、高校生の心理について書かれた本を読むと、自分の若い頃を理解できて楽しいです。過去はつねに美しい。

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