II. 研究の課題

 前節で述べたような貧困層向けの教育政策について掘り下げるために、本研究では特に早期介入(Early Intervention)の政策に注目してみたい。具体的方法としては、1965年に小学校入学前の不利益を受けた子供たちをターゲットに開始された就学前教育のプログラムである、ヘッドスタートプログラムおよび2001年の"No Child Left Behind"法に基づくリーディングファーストプログラムを対象に考察を進めていきたい。1965年以降全米で行われていたヘッドスタートプログラムはある程度評価されているが、2001年の"No Child Left Behind"においても同じ早期介入プログラムであるリーディングファーストプログラムが始められている。
 そこで本稿では、ヘッドスタート教育の移り変わりとリーディングファーストプログラムの設立の過程を整理することで、二つのプログラムの役割を指摘し、貧困層向けの教育政策でのポイントを明らかにしたい。

表紙へ
戻る
次へ