質問・意見に対する答え(第1回分)


今回は時間的な都合からこのようにします。次回のやり方は未定。



●障害者手帳交付の仕組み
 →資料として配布します。


●ワイヤレスマイクの使用
 →前回も使いたかったのだけれど何故かありませんでした。事務にお願いして使うようにします。


●前列にいる学生の発言をフィードバック
 →心掛けます。


●ほしかりょうじ氏
 →視覚障害を専攻する先生に伺いましたら,名前はご存知でした。それ以上はわからないとのこと。同じ点字受験入学者には石川准氏(静岡県立大学)がいらっしゃいます。点字受験に門戸を開くところも少しずつ増えてきました(本学はもちろん)。弁護士になった方も確かいらっしゃいましたね。またいわゆる盲ろう者である福島智さんは都立大大学院。門川紳一郎さんは桃山学院大学からギャローデット大学。ただ,先の先生からは「このようなことが新聞ネタになるんだからノーマライゼーションなんてまだまだ」と言われてしまいました。


●障害等級が上がれば援助は大きくなるか
 →受けられるサービスの種類は多くなります。サービスがよくなる場合もあります。金銭的に高額になることもあります。追々資料として提示します。


●身体障害者福祉法施行規則あるいはあの規定(先週配布した別表)だけで等級決定するのか
 →他にいろいろ資料はあります。例えば決定のための運用手引きが発行されており(第一法規だったかな?),寄り詳細な決定のための手掛かりが記載されています。


●「福祉は社会学だ」ということば
 →そう思います。また「福祉はシステムだ」とも思います。慈善と同情では問題の解決にはなりません。全部そうとも思いませんが。ちなみに知人の施設職員は「福祉は金だ」と言っていました。否定できない現実です。

#こう書きましたら,先日ある方からメールで指摘をいただきました。

ところで「慈善」の英語のcharityって「義務」って意味合いを強く含んだ言葉です。だから、日本語でいうところの「慈善」という言葉とはかなり持っている意味が異なっています。イギリスなんかでは救貧行政の矛盾の解消手段として「慈善」が「組織化」されて発展してきました。その中で、個別のニーズの把握の重要性が強く認識されたのが19世紀末のこと。そして20世紀初頭に、その方法論が具体的に詰められていき、現在のケースワークができたんですよね。関係諸機関との連携の概念も19世紀末の時点ですでに論じられています。

.....ということで,私の回答文書で「慈善と同情で」と書いたのは適切ではなかったようでした。失礼いたしました(06/03/97)



●障害者に対して健常者がどう接するのか
 →ある意味では外国人とどう接するのかと同じ次元の問題と捉えています。障害者が独自の sub-culture を持っていると考えるならば。一般にそう思ってもらえないのはどうしてかについては,いずれ講義の中でお話しできればと思っていますが(異文化と障害者文化)。


●評価はどうするのか
 →決めてないです。希望があれば教えてください。



●障害分類試案における病気(disease)と機能的障害(impairment)の区別は
 →実はWHO試案においても不明瞭であり,議論が収束していないようです。症状の時間的な継続性,あるいは固定性を考えたのですが,それだと難病・慢性疾患患者さんなどが障害として認められなくなります。試案の中では,インペアメントは「病気の諸帰結であり病理的状態の表面化したもの(exteriorization of a pathological state),あるいは気付かれた病理」であるとしていますが,正直,なんのこっちゃ,です。ごめん,勉強不足。


●一般に病人は障害者に含まれるのか
 →身体障害者福祉法施行規則あるいは先の別表において,「永続性」が要件として含まれています。ただし細かく考えると判断しにくい場合もあるので,個別の対応が必要になります。


●内部障害に大腸がんやぜんそくは含まれるか
 →大腸関係は入ってないですねー。ぜんそくもない。特定疾患・難病としての指定もないです。


●「特別なニーズ」と「普通のニーズ」
 →これは私の手に負えない。宿題。だめかもしれない。


●図表などの統計資料の配布は何を意図しているのか
 →そんなことをしても実態など見えはしない,という批判かと思います。そうですね。


先週配ったコンテンツでは気を引くようなキャッチを付けてそれはそれでカッコがいいです。しかしあれだけでは身体障害者福祉論の概要を示すどころか美味しいもののつまみ食いにしかならないとも思います。でも1学期間ですべてを話せるものではないし,得意じゃない分野はあんまり話せない(努力はしますが)。
姑息的な対応策として,概要などについては統計・図表などの資料を配布して簡単なコメントを加えることによって,範囲をおおまかに俯瞰することができないかと考えています。できる範囲で。
そしてコンテンツで紹介したような内容に移る。つまりイメージでは二部構成です。いや,質問への回答を含めると三部構成か?




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