質問・意見に対する答え(第3回分)
●トーキングエイドのメインテナンス
→補償は半年間あります。修理費用は日常生活用具給付などの対象にはなりません。期間は程度や内容によりますが,1週間は見てほしい。場合によっては1カ月。その間,原則的には代替品はないそうです。
●サポートする(自分たちの)側の課題として示され,何か「〜しなくてはいけないのか」という気持ちにさせられる。(中略)そんなレベルぐらいの感じで障害者の人と接すると,すごく非難されている気がする。やはり自覚が足りないのだろうか。
→現在は一般の人々の認識が不足しているから,講義では殊更に課題を強調したと考えてはどうですか。その辺のバランス感覚を皆さんにも伝えるというのは私には難しいです。私にしてもそのような腑に落ちない思いの狭間で何度となく両極端を行ったり来ているのでしょうから。
それに,人とふつうに付き合うのに自覚やレベルはないとは思いませんか。その前に付きあいたいと思ってるんじゃないですか。おんなじです。
今後,いわゆる自立生活運動について概観する中で,介助する側とされる側の葛藤についてもちょっとだけ触れることになるでしょう。そのときに再びあなたが介助の義務や理念や強制感に呵まれるとしたら,また書いてくださいな。私に何が出来るものでもないですが。
●資料配布は何枚配っているか言って欲しい。また全員配られたことを確認してから話始めて欲しい。
→配慮が足りませんでした。心掛けます。
●過度に機械により環境を変化させることは,その人の能力の上昇を妨げることにもなり得る気がした。
→機械を使うか使わないかは,使用者の判断することであると思います。また個人内能力の向上努力を否定するものではありませんしね。個人内能力の向上努力と環境整備の努力は車の両輪のようであると言った人がいます。
ただ「教育」が絡むと話が厄介になりますね。多くの場合,教育の必要性は他者が決定しているので。AACの理念と方法論も,当初からそのような議論を内在させていたようです。「話し始めの子どもにそのような機械を与えては,話すことも止めてしまうのではないのか」など。反論としては,「言語発達初期の対象児に対してこのような代替手段の使用というのは,内言語あるいは言語関係の発達を援助するものであって,発語そのものの出現と拮抗するものではない」「代替手段を使っていても,口で話せる子は出来るようになれば話すようになる」というものでした。
養護学校など実際の教育場面では,AACなどの使用と発語の援助はそれぞれ配慮しながらやっているとお考えください。
●トーキングエイドは日本にしかない...
→あ,国外には別の機械があるってことデス。
●いつからコンピュータが取り入れられるようになったか
→わかりません。ごめん。
●在宅で人工呼吸器を付けているが,まばたきなどで Yes/No を伝えるし,目の動きだけでCDを作ったりスーパーマリオをする子がいる。「やっくんの瞳」(岩波書店)で紹介されている。
→知りませんでした。教えてくれてありがとうございました。
#そう言えば先日8chで放映された「ゆっぴいのばんそうこう」は,ある意味で話題作だったようです。女優さんとそのお子さんの記録であるというだけではなく,出生前のビデオから始まって出産時の記録,障害告知の場面,落胆から動揺,などなどを意図的に録画したなんて,普通出来るもんじゃない。良くも悪くも両親ともにマスコミの人だったから出来たのかもしれない。ちなみに書籍は次のようなのがあるそうです。
石井めぐみ著「笑ってよ、ゆっぴい」フジテレビ出版発行。
●機械はまだまだ不便もあるし,市場原理の中で開発・流通しにくいのが現状だろう。
→確かに。問題です。
ただ,以前より環境は良くなってきていると思います。それにメセナを歓迎する風潮がいくらか企業内にあることだし。利用しない手はない。
●restroom ってトイレじゃないの?
→そうですね。当該資料の左側に書いてある文章を読んで何となくそうではないように考えていました。訂正します。
●介助は自分のことを自分で責任を持てる人がその余力でするものなのかもしれない。
→否定的な文脈で書いてらっしゃるようですが,私は違う意味合いで取りあげます。乞容赦。自分がきちんとあることが大切だ,という意味で。
●中村氏の介助者募集要請(以下,聴取者からの発言をそのまま転載します↓)
→「ところで彰さんの介助ですが,今人が足りなくて本当に困っています(特に月曜,金曜)。
「介助をする,ボランティアをするというと少し重たい感じがするかもしれません。先ずは友達からはじめませんか。彰さんは気さくで冗談も好きで本当に面白い人です。サザンオールスターズと競馬とパチンコとディズニーランドを愛するごく普通の人です。
「私自身も介助をやり始めたころは『やってあげている』という気持ちの方が強かったのですが,彰さんの人柄にふれてきてそういう気持ちが消えていきました。
「月1〜2回,彰さんと楽しくお話ししながらいろいろやりたいという人,大募集です」
#中村氏のほかにも介助者を募集している方はいますので,そちらも併せてどうぞ。
●今はトーキングエイドも「行選択→文字選択」の2段階オートスキャンのものがあるのでは
●TTYについて
→次週くらいまでお待ちください。
●トーキングエイドなどの存在は知られているのか
→関連分野の専門家などにはある程度知られているようです。しかし高齢者の分野など,少し畑が違うと認知度は落ちるのでは。さらに一般の理解はもっと低いでしょう。機械そのものではなく,AACの理念・概念自体も「知る人ぞ知る」の感じが強いと思います。しかし普及度の高い国ではもっと容易に利用することが出来るようです。
●黒板に赤・緑・青・茶のチョークは見にくい
→手近なチョークを使ってしまいました。留意します。
●授業の進行のアウトラインはある程度確実にこなしていけるものが良いでしょう。伝えたいものがたくさんあると思いますが。
→準備をちゃんとしないくせに,欲ばかりが出ますね。そして中途半端で失敗する。難しいです。
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