まとめと考察


まとめと考察



 アメリカの学校選択制では、学校を改善しようとする力を働かせるような要因によって積極的に選択が行われるのではなく、社会的経済的な要因によって消極的に選択が行われていることが明らかになった。
 しかし、それらの消極的な選択を積極的な選択に変えうるほどの有効な施策は行われてないと言って差し支えない。もし有効な情報提供が行われていたとしても、親たちがそれらにあまり関心を持たず、消極的な選択がなされ続けてしまうのではないかとも考えられる。

 このことは、日本に当てはめても同じなのではないだろうか。人種間格差の影響はないとしても、アメリカと比べて小さいとはいえ最近広がってきているといわれる経済格差や教育による格差が、親が子どもの教育を選択するに当たって影響がないとは思われない。しかも、その選択に直接の影響を受けるのは子どもである。

 日本における学校選択制は、まだ始まって10年もたっておらず、これから進展していくものであると思われる。その際、やみくもに学校選択の「良い効果」だけを追求するのではなく、これらの考慮すべき点にも目を配り、議論を進めていくことが必要だと思う。




TOP

親たちの求める情報とは