教育制度論演習
人間学類 高岡克次



アメリカで取り沙汰されている教育問題の一つに貧困層に属する子供に対する教育制度の悪化が 挙げられる。資本主義大国として知られるアメリカにおける国民の貧富の格差は大きく、<富める者>と<貧 しき者>それぞれに与えられる教育の機会は決して均等とは言い難い。 アメリカの公立学校の学校予算は住民の支払う固定資産税によるため、学 校の質は、その地域の経済情勢、つまりその地域に住む人々の収入レベルと 強く比例する。白人を中心とする高収入の上流・中流階級家族が集中する郊外 住宅地では、住民がその地域に払う税金が高いゆえに、公立学校が得る資金も 多い。これらの学校では教育の選択肢も多く、優秀な教員やコンピュータール ームなどといった施設を備えることが可能であり、結果的に教育水準が上がる こととなる。一方で貧困層に属する黒人、移民などの低収入の家族の多い都市 部の地域では住民の支払う税金の安さゆえ、公立学校が得る資金は少なく、 高い水準の教育を提供することができていない。



Top Page
問題点の概要
アメリカ合衆国の貧困層
再生産性を含む問題
問題に対する諸対策
私見