第4章では、カリフォルニア州ロサンゼルス群Los Angeles Unifiedにおいて、2006-07年にComprehensive School Reform Program (CSR Program)採用されたDana(Richard Henry)Middle schoolとMarina del Ray Middle schoolを基準にして、Academimic Performance Index(API)をもとにそれぞれのSimilar Schoolsを見てきた。
では、学校によって人種間格差解消の現状がどのようになっているのかという視点に立ったとき、ここから何が見えてくるだろうか。
今後課題としては大きなもので2点挙げられる。
1つは、今回の研究が学力面の数値という限られた範囲内での人種間格差というものに留まってしまっているということである。
本当の意味で人種間格差解消のあり方を考えていくには、学力面だけでなく学校生活そのものに深く踏み込んでいくべきであり、学校・家庭・地域という幅広い視点から人種間格差の問題を見つめていく必要がある、
もう1つは、今回の研究が学校ごとによって学力面での人種間格差にどのような違いが生じているのかということの現状確認に留まってしまい、学校の裁量権が拡大している今日において、どのような独自の取り組みが人種間格差解消の手立てになっているのかを探れなかったということである。
次回はぜひ、今回取り上げたSimilar Schoolsの中から何校かピックアップして、それぞれのどのような取り組みがどのような人種間格差解消の手立てとして働いているのかを検討してみたい。
<参考文献>
●五島一美「No Child Left Behind と教育の再生産─マイノリティと貧困層の児童生徒への影─」『早稲田大学教育評論』Vol.18,2004
●U.S. Department of Education, COMPREHENSIVE SCHOOL REFORM PROGRAM, About CSR
http://www.ed.gov/programs/compreform/2pager.html(最終確認:2008/03/04/11:30)
●California Department of Education, Comprehensive School Reform(CSR)funded Schools, 2006-07 Cohorts 4 and 5 Comprehensive School Reform
http://www.cde.ca.gov/fg/fo/r15/documents/csr06result.xls(最終確認:2008/03/04/11:30)
●Los Angeles Unified School District, Schools, Find A School
http://notebook.lausd.net/schoolsearch/selector.jsp(最終確認:2008/03/04/11:30)
●California Department of Education,Testing&Accountability, Accountability Progress Reporting (APR)
http://www.cde.ca.gov/ta/ac/ar/(最終確認:2008/03/05/12:00)
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