現在アメリカでは全ての教師が2005年度までに“Highly Qualified Teacher”になることを 目標にして、教員の職能成長、評価等を行なっていることが一連の文献調査で知ることができた。 加えて、各州レベルにおいてもHOUSSEといった評価基準を作らせていること、またそれが 現職教師にとって負担にならないように配慮されていることが明らかになった。
全ての教師が“Highly Qualified Teacher”になることは日本においても大変重要な ことであるのは言うまでもない。決して同じ制度を作る必要はないが、教師の評価に 関しては“Highly Qualified Teacher”の概念を参考にしつつ、更なる精錬が必要である。 その際に、評価のために教師が力を注ぐのではなく、生徒の学習成果に教師が力を注いだ ことによって評価されることが重要である。その視点に立つと、今回調べた、現職教師に とって負担とならないように設計されたHOUSSEの概念は、学ぶべきものが多いのではないだろうか。
今回の文献調査では、その実状を身近に感じることができず、レポート自体に厚みを もたせることができなかったが、今年“Highly Qualified Teacher”の期限で ある2005年度を迎え、それが終了する来年にはこの“Highly Qualified Teacher”に 関する新たなデータ、研究が増え、よりアメリカの教師評価に関して多角的に捉える ことが可能になると思われる。したがって、今回のレポートをもとにして “Highly Qualified Teacher”概念に厚みをもたせ、日本の評価基準への示唆を 捉えなおしていくことを今後の課題にしていきたいと考える。
目次へ | 第3章へ |