2.モンタナ州の学校状況(2001年時点)-WHO WILL TEACH MONTANA’S CHIDLREN(2001)より-
(1)深刻な教員不足とその社会的背景
・1区につき40弱の生徒がいる100以上の小学校区うち、73区において教師が1人しかおらず、サービススタッフもほとんどいない状況
・雇用技術を持つ職員がいないため、リクルート活動が行えず、給料を上げる財源もない
※専攻した科目でない限り、資格を認めるべきでない(uncertified)とする連邦の研究
・1983年には全州中26番目と平均だった教員の給料は1990年に37番目、2000年には46番目の$32121(合衆国平均$41575の78%−$9454)まで下落
・初任給は合衆国平均より約$5000低い$21676で45番目
・退職金は退職後3年間の間、平均給料の1,5倍を支払うのみ。保険は含まない。
⇒退職した多くの教師が新たな職を必要とする。
・学校によって雇われたスタッフのうち、何らかの資格があるのはわずか半分
・多くの学校と教師が医療施設や雇用施設,サービス施設から隔離(過疎化Rural Isolation)
・同じ地域の出身者が少ないため、他のスタッフから研修やサポートを受ける事ができず、教員同士が考えや関心を共有する機会も少ない※小規模な学校区の閉鎖⇒×経済的に無理
・ほとんどの学校や地域は州都であるヘレナ、また州の諸機関からは遠く離れている
・教職へのアクセス過程がばらばら(fragmented,unlinked)かつ複雑になっている
・学校はバスドライバー、料理人、事務員、警備員などの就職先になってしまっている
(2)3つの問題点と解決策
@Specific Subject Areas(特定の教科教員の不足:音楽、special education、外国語etc..)
・基準の作成と地域の特定
・不足地域・分野における教員数を増やす
・不足地域・分野を補う能力を育成するインターンシッププログラム
・学校区間の協働、連携
AMany Job Openings (生徒の増加と退職教員の増加による教職の「空き」)
・生活/教育の場としてのモンタナ州の利点の再認識
※親密なコミュニティー、保護者と学校への関心の高さ、サポート。教師への尊敬。
安全性。生活費の低さ。ドロップアウト率の低さ。豊かな自然。生徒の高い達成率。
・州レベルの教職管理組織のデザイン(就業機関と公立教育当局の連携)
・低コストでの教職への転職プログラム(夜間、週末コースなど)
・潜在的な候補者の特定と彼らを惹きつけるインセンティブの強化
※新卒者、退職した教師、現行スタッフ(資格の有無問わず)、教育実習生、住民、中高生
マイノリティ(ex.American Indianは学校スタッフの2%だが、生徒としては10%存在)
BInability to Attract and Retain Teachers(教師を惹きつけ留める、教職の魅力の欠如)
・定年の雇用期間25年を超えても、彼らを非常勤として留める退職システム(保険など)
・貸付金(loan)の提供
・地域に基づく教員サポート/サービス機関の設立
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