米国における学校中退問題への対策



5.中退者への支援


◆高校卒業と同等の社会的評価を認めるための措置
  (最終的に中退者の60%がこれらの制度を利用して高校卒業資格を得ている)

  ・ 「一般教育到達度試験」(General Educational Development Test: GED Test

日本における「大検」に相当すると言える
各州教育省によって実施され、合格者に「高校卒業同等証書」が授与される
英仏西語、点字、オーディオ・カセット、拡大文字印刷でも実施される
90年代から受験者数の増加が著しく、連邦による受験準備講座への財政支援が拡大
2001年には101万人が受験、うち64万人(史上最多)が修了

  ・ 「全米外部卒業証書プログラム」(National External Diploma Program: NEDP)

職務経験等によって得た技能を評価し、学校区教育委員会が高校卒業証書を授与する
筆記試験や「伝統的な」試験対策学習を苦手とする中退者のために創設された
21歳以上を対象に、「現代社会で充分に活躍できる成人」としての技能を審査
基礎学力診断と調査書審査の二段階構成
生活経験や職務経験によって身につけた技能を評価する
この制度により受験者の就業率が向上したという調査結果がある
'72年にニューヨーク州で創設されたEDPを基に'79年、全米的な制度として確立
現在は10州とワシントン特別区で運用されている


◆連邦労働省雇用・職業訓練管理部(ETA)の実施するYouth Programs

  ・ Job Corps(ジョブ・コア)

社会的に不利な環境に置かれている16-24歳の若者を対象とした、寄宿性の教育・職業訓練プログラム
参加者は訓練を受けながら決められた時間割の中で生活し、規律を守りながら、働くことに対する心構えを身につけていく
1964年開設、これまでに200万人以上の社会参加を助けた
毎年約7万人の若者が参加、うち高校中退者が8割を占める
合衆国政府が年間10億ドル以上を拠出する、大規模な雇用政策

  ・ Youth Opportunity Grants

極貧地区で暮らす14-21歳への支援給付


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