第2章:NCLB法の定めるSES

 NCLB法でSESは以下のように定められている。大きく関わってくるのは州教育委員会 (State Education Authority,以下SEA)、LEA、そしてサービスの提供者であり、 それぞれの関係については同法の規定から次のように理解できる。


1)SEAの責任

 SESに関するSEAの働きは以下のようなことである。

(A) 両親ができるだけ多くの選択を確実にするために、多くの提供者の参加を促す。

(B) 州の教育内容と生徒の成績基準を適切に満たし、各教科の生徒の学力向上 に効果のある潜在的提供者(今後提供者になりうる団体)にその基準を適用し、認定する。

(C) 認可提供者の更新リストを維持する。

(D) 認可提供者によって提供されたサービスの質と効果をチェックするために、 連続した2年間で生徒の学業成績向上に失敗した提供者から認可を取り消すための基準や、 その調査技術を発達させる。認可取り消しを実行し、それを公的に報告する。

(E) サービスを提供する機会や、SEAからの認可を得るために適用できる手続きに ついての年次通知を、SESの潜在的提供者に提供する。

(F) 財政的にSESを十分に提供できないLEAを補助するための資金提供を行う。


2)LEAの責任

 SESに関するLEAの働きは以下のようなことである。

(A) SESを利用できること、学校区内・近隣学校区におけるSESの認定提供者について、 また、このサービス・資格・提供者のサービスの効果についての簡単な説明を、最低限、年に一度 両親に通知する(分かりやすく、実現可能な範囲で両親が理解できる言語で行う)。

(B) 要求があれば、州の認可提供者のリストから両親が提供者を選ぶのを補助する

(C) もし、認可提供者の受け入れ数が全ての生徒へのサービスを満たせないと きは、公正で正当な手順でサービスを受ける生徒を決める。

(D) SESを受ける資格がある、または現在受けている生徒の身元は両親の明記された 許可なしには公開しない。

(E) SESにかかる費用をTITLET資金から提供する。

(F) 両親、両親によって選ばれた提供者およびLEAの3者によって協議を行い、提供者 との契約を行う。その契約とは以下のようなものである。

・この契約は生徒の具体的な到達目標、どのように生徒の向上が評価されるのか、生徒に不 利がある場合は、IDEAに定められる生徒の個別教育プログラムと一致する改善する成績のための 時間割を明らかにすることを必要としている。

・生徒の両親、教師がどのように定期的に生徒の向上を通知するか

・提供者がこれらの目標や時間割を達成できなかったら、この契約を終了する。

・LEAが提供者への支出を負担することを重視して対策を続ける。

・提供者がSESを受ける資格がある、または受けている生徒 の身元を両親の明記された許可なしに公表することを禁止する。


3)提供者

 提供者は以下のことを求められる。(A)から(D)はSEAが提供者を認可する際 の基準となるもので、これを満たさない提供者は認可されない。

(A) SESを受けている子どもの両親とLEAに子どもの成績向上に関する情報を提供す る。可能な範囲で両親の理解できる言語を使う。

(B) 提供者の教育と使用される内容は、LEAや州の教育や使用される内容と一致し、 州の生徒の学業成績基準と調整されることを確保する。

(C) 全ての適用できる連邦、州、地域の健康・安全・市民権の法律をみたす。

(D) 全ての教育と内容は非宗教的で、中立で、非イデオロギーであることを 確保する。

(E) 宗教的指導のためのサービスでないことを確保する。


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