☆新規プロジェクト

◎現代アメリカの学校認証評価における学校改善支援機能に関する学術調査研究

日本学術振興会科学研究費補助金の海外学術調査の交付を受けることができました。期間は3年間です。日本では学校評価が法制化されて、自己評価、学校関係者評価、第三者評価を組み合わせた制度構築が進められつつあります。学校評価の目的は学校改善だと言われてはいますが、現実にはなかなか・・・というのが実情のようです。いまの日本の制度はイギリスの制度に多くを拠っていると言われていますが、学校改善を目的とした学校評価という視点からアメリカの仕組みを捉え直してみると、また違ったポイントが見えてくるのではないかというのがこの研究の関心の発端です。アメリカではschool evaluationという言葉を見聞きすることはあまりありませんが、100年以上前から行われているschool accreditationの仕組みが、「認証」ということだけではなく、学校改善あるいはその支援を目的としたものへと推移してきているという動向がうかがわれます。その点に着目して、学校認証評価の性質の変化と、その学校改善支援機能について解明しようという研究です。竺沙知章氏(兵庫教育大学)、山下晃一氏(神戸大学)、大野裕己氏(兵庫教育大学)、そして照屋翔大氏(筑波大学大学院生)とともに、地道な調査と議論を重ねていきたいと思っています。

 

☆以下の研究プロジェクトは終了しました。

◎学校の「自己評価」機能を促進する組織的要因に関する研究 → 資料として、発表論考を冊子にしました。無料でお送りします。

2006年度〜2008年度の3年間にわたり、科学研究費補助金を交付されて取り組み始めました。いま、文部科学省が大々的にしかも大急ぎで全国展開しようとしている「学校評価システム」の制度化のあり方に少なからず疑問を抱いているというところから出発しました。定型化された学校評価の「かたち」を大急ぎで広めていくことが、かえって、これまで多くの学校で地道に行われてきた多様な「振り返り」を阻害してしまう可能性があるのではないか?そんな思いをもって、学校が校内研修やワークショップ、あるいは親との協力事業などを進めている活動の中に内在化されている「自己評価機能」を浮き彫りにしたいと考えています。それぞれの学校の中にすでに存在しているそのような機能を起点として、その学校にふさわしい「学校評価」のあり方を創りあげていくことが、必要だというのが、現時点での私自身の考え方です。

 

◎学校評価ガイドラインに基づく評価実践研究

文部科学省が全都道府県に委託して行われている実践研究で、茨城県の推進地域となった利根町において、研究に参加させていただいています。農村地域の義務教育学校とそれをとりまく地域環境などの現実を肌で感じながら、「都市型地域」をモデルにして「中央政府」が構想したシステムと相変わらずのトップダウン型政策実施形式をどう受けとめ、地域と学校の実態を踏まえてその制度を活用していけばよいか、試行錯誤の最中です。

 

◎外国人児童生徒教育に関する教員研修プログラムの開発 → 2009年夏までに、教育開発研究所から出版予定です。

東京学芸大学国際教育センターの臼井智美助教授を代表とする同センターの研究プロジェクトに共同研究員として参加させていただいています。これまでの自分の研究テーマとは少し異なる分野で、新たに勉強しなければならないことも多いですが、外国人児童生徒のための具体的な指導のあり方が、現代の日本の学校でとても切迫した課題になっていることに、多くの刺激を受けています。
自分自身も、一人の親としてアメリカの学校へ英語の全くわからない子どもを通わせた経験をもっているだけに、「当事者」としての実感が湧いているところです。研修を必要とする先生方のために役立つ研修のプログラムをぜひとも開発したいと思います。

 

◎スクールリーダー大学院における教育方法に関する開発的研究

小島弘道教授を研究代表者とする科学研究費補助金による共同研究です。学校管理職の養成を目的とする大学院コースがいくつかの大学で動き始めています。本学大学院教育研究科にも2006年4月からスクールリーダーシップ開発専攻が設置されました。そのような大学院での効果的な教育方法のあり方について開発的研究を行うことをこのプロジェクトは目的としています。

 

☆すでに終了しましたが、下記のようなプロジェクトにも取り組みました。

 

◎学校経営研究における臨床的アプローチの構築

3年間の課題研究の成果をもとに、単行本が出版されました!!。

学校経営に関心のあるすべての方々に、是非、お読みいただきたい1冊です。

小野由美子・淵上克義・浜田博文・曽余田浩史編著
『学校経営研究における臨床的アプローチの構築―研究-実践の新たな関係性を求めてー』北大路書房(2004年6月) \2,625

 日本教育経営学会研究推進委員会の学校経営部会(通称ウサギさんチーム)が設定した3年間の課題研究テーマです。2001年度の第41回大会を皮切りにして、200 2年度大会、2003年度大会と、議論を重ねました。学校現場の教育・経営実践にとって「役に立つ」ような「知」を生み出すことのできる学校経営研究のあり方を追究しようと 試みました。試行錯誤の連続でしたが、学会での議論の足がかりにしていきたいと思っております。議論の内容は、『日本教育経営学会紀要』第44号(2002)、第45号(2003) 、第46号(2004)に掲載されています。
 

 

◎「学校の自主性・自律性の確立」による学校経営の変化と校長職の役割に関する日米比較研究」

最終報告書を印刷しました。まだ残部がありますので、ご希望の方はお知らせください。無料でお贈りいたします。

『「学校の自律性」確立と校長の役割に関する研究』(2004年3月)

 数年ぶりに個人研究で科学研究費補助金の交付を受けることができました。2001〜2003年度の3年間です。学校の自律性を構成する「意思決定の共同化」に着目して、日米の学校経営の変化とそれに伴う校長職の位置と役割の変容を探ろうとするものです。国内のいくつかの学校でのフィールドワークを試行錯誤しながら進めていきたいと思っています。

2004年3月をもって補助金交付期間が終了しましたが、当面はこの研究を継続してまとめたいと思っています。

◎学校管理職の養成システムとプログラム開発に関する研究  

出版されました!

小島弘道編著『校長の資格・養成と大学院の役割』東信堂(2004年2月)

学校裁量権限の拡大に対応した学校管理職の役割を見据えて、その資格・養成・研修のための基準やプログラムの開発を試みようという共同研究プロジェクトです。小島弘道教授(筑波大学)を代表として2000〜2002年度の3年間、科学研究費補助金の交付を受けました。歴史研究、比較調査、そして実態調査を行 った上で、校長の資格・養成における大学院の役割にかかわる具体的な提案を行いました。

報告書の結論部分は「政策提言 校長の資格・養成と大学院の役割」として、大学院における校長養成のための具体的なカリキュラムを提案しています。

2003年3月10日に、政策提言の発表会を開催し ましたところ、40名近い方々のご出席を賜りました。また、活発な質疑の中で貴重なご意見も頂戴しました。ご出席いただきました皆様には心よりお礼を申し上げます。当日ご出席になれなかった方からも多くのお問い合わせをいただきました。この提言を足がかりにして、議論が活性化することを願っております。

なお、最終報告書は、 日本学術振興会科学研究費補助金の研究成果公開促進費によって2004年2月に出版されました。

2002年9月26日〜29日に、台湾の国立台北師範学院で開催された"International Conference on Principals' Center Management and Principals' Professional Development"の参加招聘を受け、日本の現状と課題を報告してきました。その際、上掲の調査結果の一部も紹介しました。アメリカ、カナダ、オーストラリア、シンガポール、イギリス、デンワーク、そして台湾の各国と並んで報告・議論をしてきましたが、「学校の自主性・自律性の確立」を提唱して進められる教育改革でありながら、学校管理職の専門性確保のための日本の施策の現状は遅れている、との印象をぬぐえませんでした。「民間人校長の登用」や「企業マネジメントの発想を学校へとりいれよう」などといったことでお茶を濁しているようではダメですね。教員としての優れた専門性と経験を土台にして学校経営者(教育組織の経営者)としての専門的力量を広く保障するためのしくみとプログラムの構築は、急務だと実感しました。

 

◎欧米諸国における初等・中等学校教員の職務負担に関する研究  学級編制及び教職員配置等に関する研究の一環として欧米諸国(米・英・独・仏)の比較研究を行いました。1999年度末に中間報告をまとめ、2000年度は、米・英・独・仏の現地調査を実施しました。種々の統計資料や調査データなどを整理していったのですが、米国のある地域の2小学校と1中学校で校長・教員に質問紙調査も実施することができました。ようやく最終報告もできあがりました。これは「研究」というよりも、「勉強」をさせていただいたと言ったほうがよいかもしれません。

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◎教師養成教育と教育学教育の関係性に関する研究  TEES (Teacher Education & Educational Science)研究会として、戦後の大学における教員養成のありようを教育学教育および教育学研究とのかかわりのなかで検討してきました。2000年度の日本学術振興会研究成果公開促進費の補助を受けて、10年間の研究成果をようやく1冊の本にまとめることができました。

 ○TEES研究会編『「大学における教員養成」の歴史的研究―戦後「教育学部」史研究―』,学文社,2001年

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◎特色ある学校づくりに関する研究  静岡県総合教育センターの教職研修部教職研修課が進めている調査研究です。1997〜1998年度の「横断的・総合的な学習に関する調査研究」を土台にして、1999〜2000年度は、「特色ある学校づくりに関する研究」に取り組んでいます。「総合的な学習の時間」の導入を意識しながら「特色」づくりに取り組んでいるさまざまな公立小・中学校の事例を調査し、それらを可能にした条件について考察を進めました。成果は以下の冊子にまとめられています。

 ○静岡県総合教育センター『研究紀要』第4号,2000年3月
 ○静岡県総合教育センター『研究紀要』第5号,2001年3月

◎学校組織と教員の勤務実態に関する研究  日本教育経営学会で文部省科学研究費の補助を受けて1997年度から3年計画で取り組んでいる調査研究です。全国の学校の事例調査および質問紙調査を実施しました。日本の学校の組織・経営の多様な実態と、過去20年ほどの期間における変容を把握することができました。その研究成果は、2000年度の日本学術振興会研究成果公開促進費の補助を受けて、ようやく刊行されました。


 ○堀内孜編著『学校組織・教職員勤務の実態と改革課題』,多賀出版,2001年

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◎学級経営の充実に関する研究  文部省が「学級崩壊」の実態調査を国立教育研究所に委嘱して1999年2月に発足した学級経営研究会(代表:吉田茂・国立教育研究所長)の委員として、さまざまな学校・学級の事例調査を通して「学級がうまく機能しない状況」の実態に関する研究協議を行ってきました。1999年9月には中間まとめを、そして2000年3月には最終報告をまとめました。質問紙による数量調査ではなく、一つひとつの学級の状況をインタビューを通じて当事者と一緒になって理解していくという作業は、これまで経験したことのない研究手法であり、そこから得られたデータは実に興味深いものでした。研究協議の場での、さまざまな専門・立場からの真剣な意見交換もたいへん刺激に富むものでした。さらに、「学級の中で起きている事態」が、間違いなく「学校経営」の問題であるということを、想像していた以上に改めて確認することができました。

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  ⇒中間報告書は
こちらからダウンロードできます。
    ⇒最終報告書はこちらからダウンロードできます。
 

◎横断的・総合的な学習に関する調査研究  学習指導要領改訂に向けた学校の組織・経営的対応のあり方に関心の中心を置きながら、静岡県総合教育センターの教職研修部教職研修課が進めている調査研究のお手伝いを1997年度からさせていただいています。「有名校」などの特別な条件を備えた学校ではない「ごく普通の学校」にとって「総合的な学習の時間」とは何か、それにどう対応すればよいのか、という問いを意識しながら研究協議を進めました。教職研修課の方々が実施・分析された研究成果は以下の冊子にまとめられています。

 ○静岡県総合教育センター『研究紀要』第2号,1998年3月
 ○静岡県総合教育センター『研究紀要』第3号,1999年3月
 ○静岡県総合教育センター教職研修部教職研修課
     『横断的・総合的な学習へのアプローチ−きざしとなる実践から「総合的な学習の時間」へ−』
     (平成10年度研究紀要第3号「別冊」),1999年3月

◎『東京学芸大学50年史』編集・執筆  前任校である東京学芸大学が創立50周年記念事業の一つとして記念誌を刊行しました(1999年3月)。その一部を執筆させていただきました。上掲のTEES研究会による共同研究の成果を下敷にしながら、戦後における教員養成政策の展開とかかわらせながら国立教員養成系単科大学の一つとしての東京学芸大学の歩みをたどっています。学内に残されている第一次資料も「資料編」に収められています。

  ⇒『東京学芸大学50年史』はこちらからダウンロードすることができます。