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TOP 開設科目 生涯発達臨床心理学Ⅱ

開設科目
カウンセリング学位プログラム
(博士前期課程)

生涯発達臨床心理学Ⅱ(Lifespan Developmental Clinical Psychology Ⅱ)

授業時間 : 秋A・B学期 月曜日7・8限
標準履修年次 : 1・2年次
担当教員 : 大川一郎(非常勤・筑波大学名誉教授)

授業概要 :
人間の生涯的発達の中での特に中高年期に焦点を当てる。「生まれてから死ぬまでの生涯発達の過程における中高年期の位置づけ」「その心理的な意味」「老いるとはどういうことなのか」「加齢に伴い、身体機能、知的機能はどう変化していくのか」「また、そのことが日常生活上にどのような変化をもたらすのか」そして、これらの知見を踏まえた上で、問題を抱えた高齢者をどのように理解し、どのように対応していったらいいのか」などのテーマについて実習や事例検討も含めて考えていきたい。

目的・ねらい:
生涯発達的視点からみた老年期の心理的な特徴について学ぶ。老年期の一般的な心身の変化、日常生活に及ぼす影響について学ぶ。また、様々な高齢者に対する個別の理解、対応のあり方について学ぶ。

評価方法 :
授業中のレポート、事例に関するレポートによって判断する。

教材・参考書 :
テキストとして、「エピソードでつかむ老年心理学 大川他編 ミネルヴァ書房 2011」 を使用する。また、授業の内容に応じたレジュメ、資料等を適宜配布する。参考書等は、授業時、適宜、紹介する。

授業計画:
第1回 生涯発達的視点から見た中—高年期
第2回 老いるということ1:身体機能の変化
第3回 老いるということ2:心理的適応
第4回 知的機能のエイジング1:加齢変化
第5回 知的機能のエイジング2:機能維持のための方法
第6回 高齢者に対する心理的理解と援助1:事例・在宅高齢者
第7回 高齢者に対する心理的理解と援助2:事例・認知症高齢者
第8回 高齢者理解のために実践例1 個人・家族
第9回 高齢者理解のための実践例2 福祉・医療
第10回 高齢者理解のための実践例3 産業他

受講生からの感想

  • 発達心理学の中でも、中年期から老年期を扱う、とても貴重な講義です。高齢者の視点から、人間の発達を考えていきます。​​
  • 誰しも通る老いの道。お年寄りの価値観を尊重することの意義について考えさせられる授業でした。
  • 先生が『これ、オモシロイ!』と、かき集めてくださった老いをテーマにしたビデオを観て、考察します。家族や支援者の現実について、先生が飄々とコメントされるのが印象的です。
  • 昨年はビッグサプライズでゲストスピーチがありました。認知症のお母さまについて本音で語るあの方に皆、好感と共感を持ったのでは・・・!
  • 講義資料や講義の内容が新聞記事や、本、絵、動画を使用して行われており、常に新鮮な気持ちで臨めました。また老人体験、非常に貴重な体験でした。
  • 高齢者への理解と支援の視座を常に持ちながら、中年期・老年期の身体的・心理的変化を生涯発達的視点から事例を交えて実証的に学べます。とりわけ認知症高齢者への支援方策については、専門家の連携による仮説検証型アプローチの詳細に迫る貴重な機会となります。​
  • 老いることに対する理解を高めたと同時に、バラバラな情報を一定の枠組みに嵌め込み、全体的な視点で個人を捉えることの重要性を知りました。
  • 発達を理解する上で乳幼児期の心理同様に、老年期の心理的な特徴を学ぶことは大変意味があると思います。老年期の心理的な特徴を把握することで、高齢者支援について自分なりの考えを整理することができました。実際の高齢者体験実習は忘れられません。
  • DVD視聴を通して現状に対する理解を深めたり、事例に基づくグループでのディスカッションをしたり、「老人体験」を全員で行って身体機能の衰えを実際に感じ取ってみたり・・・、様々なアプローチを経て、深い学びを得ることができました。
  • 印象ではなく、データを取る。『いつもそう!』と責める前に本当に『いつも』かどうかを調べることの大切さを知りました。日常生活でも応用してみようと思います。