筑波大学 人間系 障害科学域柿澤敏文研究室

眼球運動

弱視(ロービジョン)児者の眼球運動

 盲学校に在籍する弱視(ロービジョン)の児童生徒の眼球運動の特徴として、サッカードの潜時の延長や振幅のばらつき、追従運動の飽和が低速度で生じること、読みにおいて停留が認められない場合があり、知覚の範囲が狭いこと、絵画観賞時の走査範囲が狭く、停留時間が長いことが報告されています。これらの特徴が眼疾患の病態あるいは視力や視野などの視機能障害の特性に基づいているのか、弱視(ロービジョン)による視覚情報の制限が原因で眼球運動系の正常な発達が抑制された結果であるのかなどは特定されていません。
 弱視(ロービジョン)児者の眼球運動の特徴の理解には、先天眼振の特徴や視野障害者の眼球運動の特徴、弱視(amblyopia)や全盲、中途失明における眼球運動の特徴を把握することが役立つと考えます。弱視(ロービジョン)の幼児を対象とした縦断的な発達研究や、晴眼者を対象として、弱視(ロービジョン)の状態をシミュレートし、その状態における眼球運動の特徴と弱視(ロービジョン)者の眼球運動の特徴とを比較する研究などが必要です。

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