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本カウンセリングコース31期修了生の中村星斗さんより，受験前のお気持ちから修了後の現在のお気持ち，そして，入学をお考えの方へのメッセージなど，たくさんの思いをお送りいただきました。受験をご検討されている方もそうでない方も，是非ともご覧いただければ幸いです。

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カウンセリング学位プログラムにご関心をお持ちいただけたことを嬉しく思います。日頃から家庭や仕事、その他様々なことにお忙しい方々が大学院進学を検討されているということは、現状に対して何かしら思うところがおありなのではと勝手ながら推察します。

この文章は、受験前の気持ちや大学院生活を通じて得られたこと、修了後の自分についてつらつらと書いたものです。個人的な感想ばかりですが、今後のご検討にお役に立てば幸いです。

受験前の気持ち

受験前の私はいまいち仕事に自信や充実感を持てておらず、このまま頑張り続けても…いう気持ちが強かったです。何かを変えないと前進できない、でも何を変えたら良いのか分からないと、将来に対して漠然とした不安や焦り、閉塞感のようなものを抱えていました。

知人が修了していたこともあり、カウンセリングコースのことは元々知っていました。また、私は心理職ではありませんが、仕事で心理学的な理論やデータに触れることが多く関心もありましたので、まずはオープンキャンパスに参加してみることにしました。

オープンキャンパスで聞いた内容について、授業や教育の内容が魅力的であったことはもちろんですが、特に印象的だったのは先生が仰られた「人生が変わります」というお言葉です（そしてこの後、本当に人生が変わることになります）。仕事や家庭との両立は可能か、周りや授業についていけるか等の不安はありましたが、ここで挑戦すれば何か変えられるかもしれないと思い、受験を目指すことにしました。

大学院生活

幸い受験に合格し、入学することができました。入学して1年間は授業が中心で、並行して自分の研究計画を作成していました。以前は授業についていけるかという不安もありましたが、先生方の授業はとても分かりやすく、質問にも丁寧に答えていただけたので、きちんと基礎を固めることができたと思います。

2年生になってからは研究室に配属され、実際に研究が始まります。自分にとっての本当の問いは何か、誰のどんな役に立ちたいのかをここまで突き詰めて考えたのは初めてだったと思います。もちろん問いのすべてを研究として進められるわけではなく、実際に使える1年間という時間を前提に取捨選択し、現実的な落とし所を見つける必要がありました。この、発散的に問い、収束的に計画するという思考プロセスは自分にとってタフなものでしたが、「これをやろう」と決められた時は迷いが晴れたような、スッキリした気持ちになりました。研究は体力的にも精神的にも楽なものではなかったですが、それ以上に刺激的で楽しいものでした。

大学院生活の根底にあるものは、人との出会いでした。

先生方から厳しくも愛のあるご指導をいただき、自分とは別の研究テーマに挑戦する同期から刺激を受ける中で多くのことを学びました。ここでの出会いは私にとっての財産です。頼りになる先生方、刺激し合い、支え合う同期との出会いがカウンセリング学位プログラムにはあります。

研究を進めるには多くの先行研究を読む必要がありますが、それもまた人との繋がりであったように感じます。自分にとっての問いや、時には人生の悩みまでを支持してくれるような一文に、先行研究を読む中で何度か出会いました。その度に、「この文章に出会うために論文を読んで、研究しているのかもしれない」と思いました。

時に時間も空間も超え、多くの人に励まされながら研究を続けられたことは本当に幸せなことでした。

修了後

修了後、オープンキャンパスで先生が仰った通り人生が変わりました。具体的には仕事が変わり、今は研究職をしています。
ただもっと抽象的には、「人生を前向きに変えていきたい」という気持ちが強くなったように思います。2年間の大学院生活で様々な人たちと出会い、修士論文を書き上げたことは、1つの自信になっています。自分の行動一つで人生をより良くできるかもしれないと思えるようになりました。

私自身は研究自体が好きになってしまったので、修士論文の研究を学会誌に投稿し、博士課程にも挑戦したいと考えています。

伝えきれないことも多々ありますが、この文章を通じてカウンセリング学位プログラムでの学びが皆様の人生の選択肢に入るなら大変嬉しく思います。

2021年度修了生　中村星斗