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2023.04.19 カウンセリング学位プログラム

ご縁と新たな世界との出会いに感謝―修了生から,受験をお考えの皆さまへ

この春に本学位プログラムを修了された、33期修了生の栗林縫さんより,受験に至るまで,在学中,そして修了した現在のお気持ちについてなど,思いをお送りいただきました。受験をご検討されている方もそうでない方も,是非ともご覧いただければ幸いです。


受験に至るまで

私は民間企業に従事しており、その社会人生活は「ひたすら実践の積み重ね」であったと言えます。日々目の前の仕事に邁進する中で、キャリア開発、女性の活躍推進、リーダーシップ、組織づくり、チームワーク…と、キャリアや組織の問題に直面する機会が増えていきました。それまでは実践から培った経験や、職場の先輩方から教えていただく知識を中心として学びを得ていましたが、経験だけで学びを得ていくには物理的に年数も必要となりますし、そのような学び方に対して限界を感じ始めていました。専門的に体系立てて学ぶことによって、実践から得た知識を共通言語で客観的に、そして根拠立てて議論できるレベルへと昇華させる必要があると考えるようになっていきました。

直面する問題に関連するキーワードを調べていたところ「産業・組織心理学」という学問領域が存在することを知りました。そして以前から関心を持っていた「大学院で学ぶ」という形と組み合わせて調べた際に「筑波大学の社会人大学院で学び、研究することができる」ということを知りました。心理学的アプローチから現場の課題を捉え、研究という形で深く掘り下げ、さらに学び研究して得た知見をリアルタイムで現場に還元することができる。これ以上の絶好の機会はありません。それまで、どのように動かし始めれば良いのかがわからず、何度も諦めかけていた時計の針が一気に動き始めたように、目の前が開けた瞬間でした。

大学院生活、研究を通じて得たご縁と感謝の気持ち

社会人大学院はまさに社会の縮図でした。心理職や教育職など、民間企業に従事していたら出会わない方々をはじめとして、さまざまな仕事に従事する方々との出会いは衝撃的でした。「同志」という存在に惹かれたことも入学志望動機の1つでしたが、その心強さは期待を遥かに上回るものでした。2年目は個々が自身の研究と向き合う時間が長くなり、一緒に過ごす時間は減りますが、バックグラウンドや研究領域こそ異なるものの、互いに支え合っている感覚が確かにありました。

そしてカウンセリング学位プログラムの先生方から学び、ご指導いただいた時間は大変貴重で大切な宝物となっています。優しく、鋭く、包み込むように指導してくださることで深い洞察を重ねることができ、自分のペースを大切にしながらも限られた時間の中で可能な限りの挑戦をする機会を与えてくださいました。研究を支援してくださったゼミ・TA・統計相談員の先輩方の存在も大きく、親身に相談に乗ってくださったことによって、さまざまな苦難を乗り越えることができました。このように脈々と受け継がれる縦の繋がりも、カウンセリング学位プログラムの醍醐味であると思います。

研究を通じて、さまざまなご縁にも恵まれました。快くご協力してくださった皆さまがいらっしゃらなければ、私の研究は成り立ちませんでした。私が抱く問題意識に共感し、背中を押してくださったことによって、強い気持ちを持って研究を続けることができました。
また、家族・友人・職場の仲間については、一緒に過ごす時間を減らさざるを得ない局面もありましたが、会うたびに気遣いや励ましの言葉をいただくことで、人と人との繋がりや温かさを改めて実感し、この絆は守っていきたいと強く思い直す機会となりました。

修了した現在、思うこと

約1年間、研究に可能な限りの時間をつぎ込み、思う存分、探求をさせていただいた現在思うことは「やっとスタートラインに立つことができた」ということです。現場への還元については、私自身、日々従事する仕事への向き合い方が変わるとともに、受験前に抱いていたイメージの通り、施策という形で大学院で学んだことをリアルタイムで職場に還元する機会にも恵まれました。研究については、右も左もわからない中、沢山のご支援を受けて現在があると強く感謝しています。長く険しくも、明るく希望と魅力に満ち溢れた研究の世界を、私なりのペースで歩み続けさせていただきたい、と思っています。

社会人大学院やカウンセリング学位プログラムに求めるものは人それぞれであると思いますが、一人でも多くの方が彩豊かな人生を歩まれる機会を得られますよう祈っております。

2022年度修了 栗林縫