リハビリテーション科学
修了生の声

TOP 修了生の声 木村 鷹介さん

多彩な職種の同級生とともに学んだ5年間は、
新鮮な刺激に満ちた日々でした。

木村 鷹介 さん(理学療法士) 
2017年 博士前期課程終了 / 2020年 博士後期課程終了
関東学院大学 理工学部 健康・スポーツ計測コース 専任講師

大学院への進学を考えたきっかけは何でしたか?

大学卒業後、飯田橋にあるJCHO東京新宿メディカルセンターに入職したのですが、上司からの勧めもあり、入職直後からいづれは大学院に行きたいと考えていました。とても尊敬する上司で、その方も社会人大学院に進まれた経験がありました。そこで、「5年目くらいでだんだん仕事に慣れてくると、自分の考えに固執しやすくなり、視野が狭くなりがちになる。大学院に行って職場以外の人と触れ合うことで視野を広げ、自分の成長を止めないようにすることが大事」と、常々アドバイスを受けていたんです。
また、大学院に入学する以前から、上司の指導のもとで職場でも研究に取り組んでいたのですが、自分自身がきちんと研究の方法論を理解することで、いづれは後輩にも伝えられるようになることも大切だと考えてもいました。

母校の首都大学東京(現・東京都立大学)の大学院か、筑波大学の大学院か。進路選択ではすごく悩みました。最終的に筑波大学を選んだのは、リハビリテーションに関する幅広い知識を身につけられるという点。実際に同級生にも、自分と同じ理学療法士だけでなく、作業療法士や言語聴覚士、社会福祉士、さらには私と同じ代でいえば歯科衛生士や視能訓練士など、さまざまな職種の方がいらっしゃって、視野が広がりました。

在学中はどんなことに力を入れて学ばれましたか?

研究デザインの設計や統計解析などの研究の方法論を理解すること、医学領域以外のリハビリテーションに関する幅広い知識を得ることなどに力を入れていましたが、特に力を入れて学んだのは英語です。

研究に必要な情報を収集する上で、英語文献は避けて通れません。大学院に入学してからは、先生の助言もあり、毎朝1時間、英語文献を読む時間を作っていました。入学当初は英語を読むことが苦痛で、一つの文献を読み終えるのに1週間ほどかかっていました。しかし、半年ほど続けているうちに、段々と英語に対する苦手意識は消え、読むスピードも向上しました。英語はもともと得意というわけではなかったので、今のようにスムーズに英語文献を読んだり、英語論文を執筆したりできるようになるとは、思ってもいませんでした。

また、私の場合は修士(博士前期)課程修了後、そのままストレートで博士後期課程に進学したのですが、修士時代に必死で身につけた英語は、博士後期課程の入試、その後の研究活動でも非常に役立っています。

社会人として限られた時間で、研究との両立で工夫したことは?

朝早めに出勤して仕事を早めに済ませたり、昼休みには片手で食ぺられるようなものを買っておいてカルテを打ちながら食事を済ませたり。なるぺく時間を切り詰めて生活するようにはしていました.これは社会人大学院生なら皆さんやっているのではないかと思います。

また、私の場合は職場のほかのリハスタッフや看護師が測定するデータを研究に用いており、共同研究者となるリハスタッフの上司や医師のコンセンサスを得ておくことも重要でした。日常診療を行いながら研究に必要なデータを測定することは非常に大変で、通常の臨床業務を圧迫しない範囲でお願いすることが大事になってきます。そこで、大学院を受験する数ヶ月前から、上司に大学院を受験することと研究構想を説明し、スタッフとも何度も協議を重ねて臨床業務に支障がない範囲での測定項目を吟味しました。

このように、職場のスタッフの協力が不可欠な研究ですから、協力してくださる方へ日頃から感謝の気持ちをしっかりと言葉にして伝えるようにしていました。また、後輩の研究指導を積極的に行ったり、院内の勉強会で積極的に発言したりと、大学院で学んだ知識を職場に還元することも、同僚からの理解を得るためには重要なことだと思います。

最後に、本学位プログラムへの進学を考えている皆様へ、メッセージをお願いします。

本学位プログラムの魅力は、さまざまな年齢、多彩な職種のメンバーが集まることだと思います。さまざまな専門分野の素睛らしい先生方をはじめ、医療、教育、福祉などさまざまな道で活躍中の同期の皆さんが、現場での課題解決のために切磋琢磨している。これは他の大学院には類を見ない特徴だと思います。

私自身、これまで理学療法の授業しか受けたことがありませんでしたが、精神障害学や特別支援教育など視点の異なる講義はとても新鮮でした。そういった異なる分野の知識は、実は理学療法の臨床にも活きるものがたくさんあります。

5年間の大学院生活は、苦労もありましたが、仕事に研究にと、とても充実した刺激的な日々を送ることができました。さまざまな人と出会い、さまざまな経験をし、人間としても成長できたと思います。研究に疎かった私が、いくつもの研究をまとめ上げ、国際学会での発表や英語論文の採択を得ることができたのは、この学位プログラムのお陰です。研究をやったことがない方でも、ぜひ安心して門戸を叩いてみてください。

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