リハビリテーション科学
修了生の声

TOP 修了生の声 松田 徹さん

研究だけではないさまざまな能力を
引き出してくれる魅力的な環境。

松田 徹 さん(理学療法士) 
2012年 博士前期課程修了 / 2018年 博士後期課程修了
亀田メディカルセンター リハビリテーション事業管理部 勤務

大学院への進学を考えたきっかけは何でしたか?

大学卒業後に総合病院の臨床現場で8年間働きました。そんななかで行き詰まりを感じていたというか、なかなか臨床のなかでの自分の専門を見いだなかったんです。そこで、キャリアの場所を臨床から教育へ移してみようと、専門学校の教員に転職しました。 教員として次のキャリアを見据えた時には、大学教員へのキャリアアップが念頭にありましたが、大学で教えるようになるためには、博士の学位が必要になります。そのことがモチベーションとなり、教員に転職して1年目の冬頃から大学院への進学を考え始めました。

筑波大学大学院に決めたのは、直感的なものでした。養成校の教員としていろんな実習先に行くのですが、茨城にある病院へと向かうバスの中で筑波大学の横を通ってピンと来たんです。それで調べてみると東京に大学院があり、これなら通えそうだ!と。それから情報収集のために説明会に参加し、過去問を入試したり、現代文(長文読解)の問題集を購入して小論文対策を行ったり。半年から1年ほどかけて準備を行い、実際に修士(博士前期)課程に進学したのは、教員になって3年目の頃でした。

在学中に苦労したこと、思い出に残っていることは?

修士(博士前期)課程に進学する以前は、学会発表の経験は多少ありましたが、研究をやったことがあるわけでもなく、論文も書いたことがありませんでした。さらに、臨床現場ではなく教育のフィールドにいたため、臨床データを取れる場もほとんどありませんでした。

「養成校の教員として、今自分に何ができるのだろうか?」。必死に考えて苦肉の策で研究計画書を作ってみるも、教授から何度もボツを食らう日々でした。要は研究テーマが定まらなかったのです。そうして悶々としながら途方に暮れていた修士1年の夏、授業を終えて東京駅から千葉方面へのバスに乗ったら、前職の病院の上司とばったり再会しました。その方はアイディアと閃きに満ちた方で、そこで研究の行き詰まりを相談し、その場でいただいたアイディアが大きなタネとなり研究テーマとして形にすることができました。そして、その研究を8年間かけて1冊の博士論文にまとめあげた業績が評価されたことが、現職にも影響しています。

本学位プログラムの魅力は、どんな点にありますか?

一般的な博士後期課程では、期間を延長しての修了が当たり前のような雰囲気がありますが、本学位プログラムでは、カリキュラム設定や教員の指導体制が充実していて、3年間で修了する院生がほとんどです。修士ももちろん同じで、「修士なら2年、博士なら3年で修了」ということを、入学時点からかなり意識づけられるんです。

実際にそれを可能にするカリキュラムがしっかりと組まれていて、最初は途方もないように思える目標に向かって、小さなステップがたくさん用意されています。そのひとつひとつのプログラムを超えていくことで、自ずと最終目標に到達できてしまう。これは本当に素晴らしいカリキュラムだと思います。もちろん、在学中に出産などライフスタイルの変化があり延長の必要がある人はそれも可能ですし、逆に博士課程を2年で修了できる早期履修制度もあります。さまざまなライフスタイルに対応できる指導体制は、社会人大学院生にとっては非常に重要なポイントだと思います。

また、修士では20人くらいの社会人同級生が一つのクラスとして集まるのですが、それが本当に普通の学校のような感覚になるんです。そこでいろんな職種の人たちが仲間として授業を受けたり、意見交換をしたり。いきなりゼミのような小さな単位に入っていくのとは違う、視野の広がりが得られます。仕事もしながら授業に出ることはもちろん大変ですが、たくさんの仲間がいて、自分が本当に学びたいことを学ぶことができる。社会人になってそういう時間を持てることはすごく貴重です。それも本学位プログラムの大きな魅力の一つだと思います。

最後に、本学位プログラムへの進学を考えている皆さまへ、メッセージをお願いします。

修士(博士前期)課程から3年間の準備期間を経て、博士後期課程へ。教員と大学院生を両立した8年間の最後の1年は、次のキャリアに悩んだ1年でもありました。もともとのモチベーションは大学教員を目指すことでしたが、最終的には前職でお世話になった上司の誘いで、前職の病院に出戻りという形で転職することになりました。ただ、以前とはまったく異なるポストにつかせていただくことができ、それは大学院進学がなければ考えられなかったことです。

大学院での収穫は、キャリアアップにもつながった1本の論文だけではなく、さまざまな能力を培えたことにもあります。情報を収集する力、多角的に分析する力、形のないものを形にする力、人に伝える力、人とつながる力……それらは総合病院でずっと働いているだけでは決して手に入れられなかったもの。今後はそれらの力を活かして、時代に即したグローバルな仕事にも参画していきたいと思っています。本学位プログラムは、このような自分の中の潜在的な能力を最大限に引き出してくれるものです。大学院進学を考えている方は、ぜひチャレンジして欲しいです。

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