リハビリテーション科学
修了生の声

TOP 修了生の声 大澤 彩さん

仕事、子育て、研究と3つを両立した日々。
分野を超えた知識とつながりは最大の収穫です。

大澤 彩 さん(作業療法士) 
2008年 博士前期課程修了 / 2015年 博士後期課程修了
東京医療学院大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 作業療法専攻 准教授 ほか

大学院への進学を考えたきっかけは何でしたか?

一般大学を卒業後、企業の秘書を経て大学に入り直し、作業療法士の免許を取得しました。その後は大学病院に勤務していたのですが、大学時代の恩師から「大学の教員にならないか?」とお誘いを受けたんです。臨床の現場から教える立場になるにあたって、自分でしっかり研究をまとめられるような機会を持たなければ、学生に教えられるような自信もなかったですし、より幅広い知識を身につけている必要もあるだろうと考え、大学院進学を決めました。

本学位プログラムを選んだ理由は?

医療業界は狭い世界。そんな環境にいるからこそ、作業療法士という一つの専門を突き詰めるよりも、多職種が集まる本学位プログラムで学ぶほうが視野が広がり、またさまざまな意見を聞き、さまざまな人との交流を持てるのではないかと思いました。

実は、修士(博士前期)課程の入試ではほかの大学院にも合格し迷っていたのですが、最終的に本学位プログラムを選んだもう一つの決め手が、素晴らしい活躍をされている修了生がとても多いことです。お世話になっている方々はもちろん、大学で使われるリハビリテーション分野の教科書を書かれている先生方にも、筑波大の出身者が多くいらっしゃるんです。

また、実際に入学してみると、同級生の職種の多様さに驚かされました。歯科医、農林水産省、法務省や家庭裁判所の方など、本当にさまざまな背景を持つ方が集まっていました。このように多彩な経歴の方々から意見をいただける機会というのは、なかなかありません。専門性を高めるだけでなく、先生からも学生からもいろいろな意見を聞ける環境が、より社会に活かせる学びにつながっているのだと感じています。

カリキュラムや教員陣の印象はいかがでしたか?

通常、大学院では自分の研究分野に合う先生について指導を受けることが多いですが、本学位プログラムの場合は学生自身の研究を軸に複数の先生がついてさまざまな観点からフォローをしていただける体制になっています。 また、多様な専門領域の学生がひとつのクラスにまとまり、発表会もクラス全員で行いますし、多分野の先生が同席してくださる。非常に多様性に富んだ指導方法だと感じました。

そして、社会人として仕事と学業を両立している私たちの状況を、先生方がよく理解してくださり、いつも温かく対応してくださったことには、非常に感謝しています。 私の場合、博士後期課程に進学したのとほぼ同じ時期に出産が重なり、仕事と育児と学業の3つを両立していたため、ゼミの時間に間に合わないこともありました。そんな時にも優しくスケジュール変更の対応をしてくださったり、子どもが病気になってしまった時には「今は大変な時期だから、お子さんのところにいてあげてください」と温かい声をかけてくださって。そんな先生方の存在は、多忙だった大学院生活の支えでもありました。

在学中は、限られた時間をどのように有効活用していましたか?

時間を計画的に捻出し、こなすべきタスクを必ず時間内に終わらせるように心がけました。たとえば、短期~長期目標を立てる、移動時間を活用する、決められた時間内でしっかり集中する、逆に決められた時間に思いっきり息抜きする、などです。

また、博士後期時代は、子どもが生まれたばかりで、研究や発表をこなすためにはベビーシッターや母の協力も不可欠でした。母に関しては、はじめは協力にあまり乗り気ではありませんでしたが、何が何でも博士課程を修了するという私の意地と執念に折れて、最終的には「修了までやり遂げなさい」と支えてくれました。

ただ、それでも発表会が迫っている時期など、隣に泣いている子どもを抱えながらPC作業に追われたことも……。そんな時には「このタスクが終わったら必ず2時間は子どもと遊んであげる」と決めて、心を鬼にして目の前のタスクに取り組みました。

大学院進学を通じて、どんな収穫がありましたか?

本学位プログラムを通して、縦のつながりも横のつながりもできました。修了した今でも、在学当時の指導教官が研究の相談に乗ってくださいますし、現在の職場に転職する際も、現場に修了生の先輩がいらっしゃったことで、スムーズに採用が決まりました。今現在、何足もの草履を履きながらさまざまな現場で働いていますが、それも本学位プログラムから生まれたつながりの結果のひとつです。

修士(博士前期)課程、博士後期課程と怒濤の日々を過ごしてきたことはかけがえのない経験です。大事にしたのは、どんな状況でもとにかく前を向いて計画的に進むこと。みんなに支えられながら、なんとか乗り越えることができました。博士課程の入学と同時に出産・育児まで重なってしまった私でも、やり遂げることができました。やる気と研究に対する情熱さえあれば、きっと大丈夫! みなさんもぜひ、チャレンジしてください。

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