本文へスキップ

Welcome to Fujita's Lab!

〒305-8572 茨城県つくば市天王台1-1-1 筑波大学人間系

以前のサイトでの発信情報ARCHIVES 2003-2007

 このページには、2003-2007年度の筑波大学第二学群人間学類(教育学主専攻)開設の「教育制度論演習」履修者による最終レポートが掲載されています。担当者であった私の所属・役職、履修者の皆さんの所属・学年等もすべて当時のままです。ご了承の上、ご覧下さい。
(2016年4月・藤田晃之)


教育制度論演習のサイトへようこそ。このサイトには、当該演習を履修した学生による最終レポートを掲載しております。

はじめに教育制度論演習の概要を紹介致します。

 1990年代以降、日本で進められてきた教育改革は、総体として“脱詰め込み”“脱画一化”の指向性を強く有し、賛否両論をひきおこしつつ今日に至っている。一方アメリカ合衆国では、1980年代から一貫して学力の向上(=詰め込み型教育への傾斜)と全米共通の学習到達度の設定(=全国的画一化への傾斜)が、教育改革のスローガンの重要な構成要素となっている。日米両国のこの「差」はなぜ生じたのか。実際にアメリカでどのような教育改革が進展しているのか。本演習では、これらの問いをスタートとして、アメリカの教育制度の特質に迫ってみたい。

 そのための手段として、まさに“今”アメリカの人たちが目にしている教育関係文書(論文、エッセイ、連邦政府文書、州政府文書等)をインターネット等から入手し、積極的に読み進めていこうと考えている。

人間学類シラバスより

2002年1月、アメリカでは、初等中等教育法を改正する法律(Public Law 107-110)、通称「No Child Left Behind法」が、「一人たりとも落ちこぼさないため、アカウンタビリティー、柔軟性、選択の原則に基づきつつアチーブメント・ギャップを解消する(To close the achievement gap with accountability, flexibility, and choice, so that no child is left behind.)」ことを目的に成立しました。本法の成立は、才能ある生徒のアチーブメントをさらに向上させつつ、社会的に不利な立場に置かれてきた生徒たちのアチーブメント向上のための手厚い施策を求めるアメリカの教育の現状を示す象徴的なできごととして捉えられます。

また本法は、「結果至上主義」とも言うべき、アウトカム・コントロール型教育改革の推進法としての側面も強く有しています。アチーブメントの向上という目標を達成し得るのであれば、その方策には大幅な自由を認めようとするものです。

さらに本法は、教員養成・採用・研修制度の改革もその焦点の一つとしています。日本でも「人間は教育によってつくられると言われるが、その教育の成否は教師にかかっていると言っても過言ではない。(中央教育審議会答申、2005年10月)」と指摘されていますが、優秀な教員の確保は国や時代を問わず常に教育改革の柱とされてきました。しかし、従来から教員不足が指摘されるアメリカでは、教員をめぐる諸改革は“激烈”とも言える程度で進行しているのです。

このような状況を受けて、本演習後半では、「No Child Left Behind法」における教育改革の焦点を軸としながら各自が研究テーマを選び、その成果を持ち回りで発表するという形式をとりました。以下に掲げる報告は、それらの発表を基盤としながら、各人が最終レポートとしてまとめたもので す、各レポートの「質」にバラツキがあることは否めません。また、どのレポートも学術的に見て稚拙かつ未完成であることも事実です。けれども、参加した学生がそれぞれの課題に真摯に取り組み、その成果をまとめ上げたことは事実ですし、この点において胸を張れるレポートだと確信しています。特に、4年生は卒業論文との同時作成となりましたが、その多くが卒業研究とは切り離した課題にあえて挑戦しています。その積極的姿勢を評価したいと思います。

なお、レポートの公開を希望しない学生については、その氏名を含め掲載いたしておりません。ご了承下さい。

2003年度

  1. マグネット・スクールに対するアメリカ連邦教育省の評価に関する一考察 3年 石嶺ちづる
  2. Public School Choice & Supplemental Servicesとは 3年 内海貴之
  3. チャータースクール制度の概要と動向 3年 橋場論
  4. School Resegregation の経過について−90年代における裁判所決定を中心に−  3年 安田美世
  5. 都市教育問題 4年 高岡克次
  6. アリゾナ州におけるチャータースクールをめぐる議論 4年 土田美由紀

2004年度

  1. アメリカ教育制度改革の現状と課題〜No Child Left Behind法施行4年目を迎えて 3年 大高皇
  2. サプリメンタルエデュケーショナルサービス(SES)に関する一考察 3年 田中洋子
  3. 英才教育制度の現況についての考察 3年 福野裕美
  4. チャータースクールにおけるアカウンタビリティーの在り方に関する考察 4年 福永鉄平
  5. “Highly Qualified Teacher”施策の動向の一考察 ―テネシー州を事例にして― 4年 湯地智之

2005年度

  1. 米国における学校中退問題への対策 3年 石川忠
  2. チャータースクールについての考察 3年 川崎浩介
  3. 学校選択制における情報格差 3年 西野千晶
  4. アメリカ合衆国の高等教育における奨学金事業の変遷―カーネギー報告を中心に― 3年 山中将泰
  5. アメリカ合衆国における教員の職能成長のための政策の動向 4年 橋迫珠樹
  6. 人種差別撤廃に向けた教育政策の動向とその実態―ミシシッピ州を事例として― 4年(日本語・日本文化学類) 杉田かおり

2006年度

  1. NCLBは教育の格差を緩和しているか ―report cardの妥当性と効用の一考察― 3年 衣川智仁
  2. ヘッドスタートとリーディングファースト ―Disadvantaged Childrenの未来のために― 3年 福地健太郎
  3. 教員免許更新制は教員の質を向上させるのか 3年 星野真澄

2007年度

  1. 学校における人種間格差解消の現状と可能性についての一考察
    〜カリフォルニア州ロサンゼルス郡Los Angeles Unified School Districtを中心に〜
     3年 内田沙希
  2. 教員採用における社会人活用に関する一考察―モンタナ州のNPTTプログラムを題材に― 3年 初瀬皓二
  3. カリフォルニア大学の入試制度におけるアファーマティブ・アクションの特質と課題 3年 藤田賢蔵
  4. アメリカにおける教員の質向上政策の特徴 3年 望月里紗
  5. アメリカにおける移民及びLEP生徒に対する言語教育政策の動向と課題
    〜カリフォルニア州住民提案Proposition227に着目して〜
     3年 小倉学
  6. アメリカの教員給与と団体交渉 3年(比較文化学類) 山下真実
  7. No Child Left Behind法におけるAYP運用に関する一考察
    ―フィラデルフィア学校区へのstate takeoverを事例に―
     3年 吉田ちひろ

お読みいただいた皆様からの忌憚のないご意見・ご感想をお待ち致しております。

2008年3月19日

【お詫び】
人間学類が使用しているサーバーの変更に伴い、一部のデータに破損が生じてしまいました。できる限り復旧に努めましたが、オリジナルデータの欠落により再掲載できなくなってしまったレポートも存在します。レポートの掲載ができなくなってしまった皆様に深くお詫び申し上げます。(もしよろしければ、ご本人からオリジナルデータのご提供をいただけましたら幸いです。ご連絡をお待ちしています。)

 

担当:筑波大学人間総合科学研究科 准教授 藤田晃之

バナースペース

藤田晃之

〒305-8572
茨城県つくば市天王台1-1-1
筑波大学人間系

TEL 029-853-4598(事務室)