新年度がスタートしましたね。改めまして、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。つくば市近辺では、3月末に満開を迎えたソメイヨシノが、一昨日くらいまで持ちこたえました。本学を含め、市内の各学校の入学式が、枝を覆い尽くす桜の花々に祝福されつつ挙行できて良かったなぁと思いました。皆さまのお近くの桜はどんな状況でしょうか?
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先日、ユネスコ(UNESCO)の機関誌Courierの最新号(2026年4月-6月号)が発行されました。
https://courier.unesco.org/en/latest
特集テーマは「Artificial intelligence: do we still need to think? (AI時代において、人間はなお考える必要があるのか)」です。急速に進展する生成AIが、私たちの学びや思考、そして人間らしさそのものにどのような影響を及ぼしているのかを、多角的に問い直す意欲的な企画となっています。今回のよもやま話では、この概要をご紹介します。
ここ数年で生成AIは、学習や知識の伝達に関する従来の常識を塗り替えてきました。AIを活用することによって、整った文章を作成することのみならず、豊富な文献等の引用を含むレポートさえも容易に書き上げることができるため、学校教育の現場では、あたかも「高度なカンニングツール」のように使われるケースが散見され、学習者自身の実際の理解やスキルとの乖離が問題となっています。一方で、世界中の先生方はこのAI技術の可能性とリスクの双方に関する認識を深めつつあり、膨大な情報への単なるアクセスだけでなく、その創造をも可能にする点に関心が向けられています。
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現在の焦点は、AIの不正利用を防ぐことから、ますます高性能化するこの技術にどのような役割を与えるべきかという点に移っています。当時に、その利用者の認知発達への影響を懸念する声も多く上がっているのが現状です。
今日私たちに求められているのは、深く理解し、分析し、整理し、意味づける力です。もし私たちが思考や創造をAIに委ねてしまえば、個人の自律性や自由意志、さらには自由そのものが揺らぐ可能性があります。本特集は、こうした根源的な問い、すなわち、「AI時代において、人間はなお考える必要があるのか」という問いを起点に置くものです。
学ぶこと、考えることは、単に知識を得るだけでなく、人間として成長するプロセスそのものです。好奇心や社会性、批判的思考力を育むことは人間に固有の重要な営みであり、どれほど高度なAIであってもこれらを完全に代替できるものではありません。
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本特集の大きな魅力は、各国の具体的な事例を通して、この問題を多角的な視点から描き出している点にあります。
数十年にわたって学校教育にICTを導入してきたスウェーデンでは、過度なデジタル化政策の見直しが進み、教育における技術と教育内容のバランスの重要性が再認識されています。一方、アラブ首長国連邦では、2025年に幼稚園からAIを必修科目に位置づけ、活用能力だけでなく、それを批判的に捉える力の育成を目指しています。また、アルゼンチンで2025年に実施された教員対象調査では、AI導入に伴う教員研修に対する関心や意欲と同時に、自分たちの働き方を変えざるを得ない状況をもたらすことへの懸念の双方が浮き彫りにされました。さらに、中国南西部の山岳地帯に位置する貴州省では、人間中心のAIイニシアチブが教育のあり方を変革しつつあり、子どもに「答えを与える」のではなく「考えさせる」ためのAIの活用が進められています。
これらの事例に加え、本特集では、子育てにAIを活用するというインドでの新しい動向の紹介や、主要言語で記述されたコンテンツをベースとして開発された生成AIがハウサ語やズールー語などのアフリカ諸語での活用に十分対応し切れていない現状に関する記事も掲載されています。
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本特集は、「AI時代において、人間はなお考える必要があるのか」という問いに対して、単純な結論を提示するものではありません。学ぶこと、考えること、そして人間として成長することの意味をあらためて見つめ直す契機として、示唆に富む内容となっています。
残念ながら日本語版は発行されていないのですが、こんな時こそ、AIの出番ですね。優れた翻訳機能を備えた様々なAIが活用可能ですので、是非、多くの方にお読みいただきたいなぁと思いました。
【第70話】キャリア教育に関する総合的研究 第⼀次報告書(2026年2月1日)
【第69話】やっぱり、キャリア教育は重要だ(2025年5月31日)
【第68話】SUNO AIを使ってみました(2024年10月6日)
【第67話】ChatGPTとチャットしてみました(2023年1月29日)
【号外】数学は役に立つ! Maths counts ✔(2023年1月13日)
【第66話】サステナブルなキャリア教育の実現の可能性と課題(2023年1月1日)
【第65話】今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(2022年9月24日)
【第64話】続: 学びの先にあるもの(2021年12月29日)
【第63話】みんなちがって、みんないいのに……(2021年10月10日)
【第62話】全国学力・学習状況調査の結果公表に寄せて(2021年9月5日))
【第61話】夏季休業後の学校再開と新型コロナウイルス感染症対策(2021年8月22日)
【第60話】「生涯にわたる学習とのつながり」を見通すことの意味(2021年7月23日)
【第59話】ないないづくし(2020年8月23日+2021年6月2日)
【第58話】OECD「Learning Compass 2030」が求める力(2020年7月12日)
【第57話】続:「今、ここ」でのキャリア教育(2020年6月14日)
【第56話】「今、ここ」でのキャリア教育(2020年5月16日)
【第55話】ロールモデル(2020年4月11日)
【第54話】キャリア教育の出番です(2020年2月1日)
【第53話】係活動・当番活動(2020年1月11日)
【第52話】新学習指導要領の前文を改めて読む(2019年12月26日)
【第51話】PISA2018の結果第一報によせて(2019年12月3日)
【第50話】「キャリア・パスポート」は “お荷物”か?(2019年10月13日)
【第49話】たまには遠くを見てみよう(2019年8月13日)
【第48話】世界は動いている(2019年6月29日)
【第47話】日本版パパ・クオータ制、創設か!?(2019年5月26日)
【第46話】変わりゆく日本型雇用(2019年4月28日)
【第45話】「キャリア・パスポート」例示資料等の発出によせて(2019年4月4日)
【第44話】やっぱり英語は必要だ!(2019年3月13日)
【第43話】キャリア教育とジョン・デューイの「オキュペーション」(2019年2月9日)
【第42話】マハトマ・ガンディー生誕150周年に寄せて(2018年12月23日)
【第41話】書けない・書かないキャリア・パスポートをどうするか(2018年11月17日)
【第40話】教科を通したキャリア教育は難しい?―その3―(2018年9月24日)
【第39話】「主体的・対話的で深い学び」とキャリア教育(2018年8月12日)
【第38話】大学入学共通テストの方向性が示すもの(2018年7月8日)
【第37話】「キャリア教育の要」って、結局、何をどうするの?(2018年6月2日)
【第36話】教科を通したキャリア教育は難しい?―その2―(2018年5月6日)
【第35話】「教員が対話的に関わること」の意味(2018年4月11日)
【第34話】AI時代に求められる力(2018年3月11日)
【第33話】未来は「怖い」か「楽しみ」か(2018年1月27日)
【第32話】テレビドラマが映し出すもの(2018年1月21日)
【第31話】年の瀬の大風呂敷(2017年12月28日)
【第30話】働くって、何だろう?(2017年11月25日)
【第29話】キャリア・プランニングはナンセンス?(2017年11月5日)
【第28話】世界的に問い直される「学びの本質的な意義」(2017年10月29日)
【第27話】世界的潮流としての「教科を通したキャリア教育」の実践(2017年10月1日)
【第26話】「キャリア・パスポート」がやってくる!?(2017年9月10日)
【第25話】他山の石(?)としての1970年代のアメリカにおける実践(2017年8月27日)
【第24話】将来(おそらく)使わないものを勉強する理由 (2017年8月6日)
【第23話】「青い鳥」が住むところ (2017年7月1日)
【第22話】遅ればせながら…「基礎的・汎用的能力」って何?(2017年6月17日)
【第21話】「基礎的・汎用的能力消滅論(!?)」を検証する(2017年6月4日)
【第20話】キャリア教育の「要」としての特別活動(2017年4月23日)
【第19話】アントレプレナーシップって何だ?(2017年4月9日)
【第18話】子供たちの変容・成長をどう評価するか(2017年3月26日)
【第17話】就学前~小学校低学年の子供へのアプローチ(2017年3月11日)
【第16話】小学校・中学校の次期学習指導要領案を読む(2017年2月26日)
【第15話】小学校におけるキャリア教育の豊かな可能性(2017年2月12日)
【第14話】キャリア教育の18年の歩みを振り返る(2017年1月29日)
【第13話】今、高校3年生に伝えたいこと(2017年1月15日)
【第12話】中教審答申がキャリア教育に期待するもの(2016年12月29日)
【第11話】職場体験活動再考(2016年12月18日)
【番外編】PISA2015の結果が公表されました(2016年12月6日)
【第10話】強者の論理(2016年11月30日)
【第9話】学びの先にあるもの(2016年11月14日)
【第8話】キャリア教育と進路指導(2016年10月29日)
【第7話】五郎丸さん(2016年10月14日)
【第6話】「お花畑系キャリア教育」は言われるほど多いか?(2016年10月1日)
【第5話】金太郎飴(2016年9月18日)
【第4話】カリキュラム・マネジメントと「SMART」な目標設定 (2016年9月4日)
【第3話】キャリア教育とPDCAサイクル (2016年8月17日)
【第2話】教科を通したキャリア教育は難しい? (2016年8月2日)
【第1話】職業興味検査は使い方が肝心 (2016年7月31日)